1.柔軟かつダイナミックな体制による知の創造

研究力強化/国際協働 最先端研究の推進 再生医療と先端医学研究 再生医療と先端医学研究においては、iPS細胞の早期実用化に向けて、新たな臨床用iPS細胞ストックの提供を開始する等、再生医療の実現化を推進した。令和2年度にiPS細胞及びiPS細胞技術を利用する医療・創薬の早期実用化に向けた研究をさらに強化推進するため、医学部附属病院次世代医療・iPS細胞治療研究センターを設置し、令和3年度には新型コロナウイルスワクチンに係る観察研究等、19件の臨床研究や臨床試験を実施した。また、iPS細胞の製造や品質評価等の技術を産業界へと橋渡しする機能を担うため、iPS細胞研究所から一部の機能を分離する形で「京都大学iPS細胞研究財団」を設立し、活動を開始した。
化学と生命科学の融合
iCeMS
WPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)アカデミー拠点である物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)及び連携研究拠点等において、次のような国際的な最先端研究を展開した。
高等研究院 高等研究センター、WPI(世界トップレベル研究拠点プログラム)アカデミー拠点である物質-細胞統合システム拠点(iCeMS)、WPI拠点であるヒト生物学高等研究拠点(ASHBi)及び連携研究拠点等において、次のような国際的な最先端研究を展開した。
On-site Laboratory On-site Laboratory事業に関し、学内での議論を踏まえて平成30年12月に制度化し、令和3年度末時点で計12件のOn-site Laboratoryが運営されており、再生医療や、がん研究をはじめ、新たな国際共同研究の展開が見られる。特に、米国に設置された「京都大学サンディエゴ研究施設」では、UCSDとがん免疫分野のセミナーシリーズを令和2年度に6回、令和3年度に6回開催したほか(参加者延べ1,644名)、アカデミア発のスタートアップ企業が製薬会社や投資家に研究開発中の医療シーズ、技術を発表する場となるショーケースを神戸医療産業都市推進機構(FBRI)及び日本貿易振興機構(JETRO)の協賛を得て令和元年度より実施しており、令和3年度もオンラインで実施した(令和4年3月、参加者294名)。ショーケースは今年度で3回目の開催となり、これを契機として、京大教員と現地企業が共同研究契約を締結する等の成果があった。加えて、タイに設置された「スマート材料研究センター」では、相手方研究機関であるウィタヤシリメティー科学技術大学(VISTEC)をはじめ、タイの地方大学の学生向けにプレゼンを行うなどしてリクルーティング活動を行うなど、優秀な留学生の獲得に注力している。以上のとおり、On-site Laboratoryでは、産業界との連携強化の他、国際的な教育連携を深化させる等様々な波及効果がもたらされているほか、令和9年度末までに外国人教員(研究者含む)を600名確保するという本学の目標の達成にも資することが期待される。

2.高度で多様な頭脳循環の形成

人材獲得 ・育成/国際化 学生 Kyoto iUP
(Kyoto University International Undergraduate Program)
Kyoto iUP(Kyoto University International Undergraduate Program)は、優秀で志高い留学生の学部段階での受入れを拡充するとともに、国際性豊かなキャンパス環境を創造し、同時に国際社会で活躍する日本人学生を養成することを目的としている。令和2年度に実施した予備教育履修生選抜審査では、コロナ禍にも関わらず前年度実績を100名以上上回る482名の志願者(45の国・地域)を得て、27名(14の国・地域)が最終合格、入学意思確認の結果17名が応諾した。これら令和3年度生には、令和3年9月までプレ日本語予備教育として、出身国・地域の語学教育機関における日本語学習の受講費をサポートするとともに、令和3年10月からは国際高等教育院において日本語・日本文化教育及び教育到達状況に差のある数学、物理、化学、社会の補習を中心に予備教育を実施した。新型コロナウイルス感染症の影響により、既に渡日済の学生と渡日できない学生との両方に対応する必要があり、対面授業とオンライン授業とを組み合わせるハイブリッド形式を取り入れて実施した。なお、未渡日の学生も令和4年3月になって順次渡日の目途がたち始めたため、渡日時の空港・ホテル間の移動支援、隔離が必要な期間の滞在施設手配・食事・急病対応、隔離期間中のオンライン予備教育受講サポート、隔離期間終了後の本学留学生寮までの移動支援などに重点的に取組み、学生が不安を感じずスムーズに過ごせるよう配慮した。
卓越大学院プログラム 令和2年度に採択された「社会を駆動するプラットフォーム学卓越大学院プログラム」について、令和3年度より学生を募集し、4月入学学生として11名(うち4名が3年次編入)、10月入学学生として2名の履修者を決定した。なお、「先端光・電子デバイス創成学「メディカルイノベーション大学院プログラム」については順調に学生が入学しており、それぞれ履修者数は65名、64名(令和4年3月31日現在)の履修者が在籍し、プログラム修了者13名を輩出している。
大学院共通・横断教育基盤 大学院共通科目群」について、令和3年度は対面授業を再開し、開講科目数31科目、履修者数1,480名となった。
その他、文系学生に向けたデータ科学教育や留学生向けの情報リテラシー教育の重要性に鑑みて、令和元年度から新規開講した「データ科学概観」、「Basics of Academic Information Literacy」については、それぞれ38名、3名となった。
大学院横断教育科目群」について、履修者のいない科目の精査等を行った結果、令和3年度は開講科目数91科目、履修者数738名となった。
大学院教育支援機構
GST(Graduate student Training)及び国際アドミッション支援オフィス機能の強化
令和3年10月に大学院教育支援機構を設置し、学生に対する経済支援の拡充、優秀な留学生の獲得、キャリア形成及び産学連携活動に資する教育機会の提供等の大学院教育にかかる各支援について、各研究科単独では困難な課題に対して全学的かつ包括的に取組を行っている。
教育担当副学長の下に設置したGST推進室において、令和2年度からe-Learning研修教材等の基礎的な研修プログラムの開発に着手し、動画コンテンツを作成した。令和3年度も引き続き動画コンテンツを増やし、基礎的な研修プログラムの充実を図った。大学院生のTA教育等を担うGST推進室の機能については、令和3年10月より「大学院教育支援機構」に取り込み、大学院生の教育能力向上に係る教育コースを整備することとなった。
令和元(平成31)年度に設置した国際アドミッション支援オフィスにおいて、優秀な外国人留学生獲得のため、各国の協定校について、コロナ禍でのオンライン授業等の取組に関する対応等について調査した。また、各国の協定校について、オンラインによる短期留学プログラムの調査を実施し、学生に情報提供するとともに、各大学のコロナ禍での留学生受入プログラムの現状を把握した。各大学が実施したオンラインによる受入プログラムの利点(講義におけるオンラインツールや動画等の活用等)については、関係部署へ情報共有を行った。
また、コロナ禍における有効なリクルーティングとして、部局が実施する優秀な外国人留学生獲得のための取組の把握に努めると共に、ASEAN拠点が中心となってオンライン留学フェア等に参加し、年間で14件、延べ2,500名以上の学生の参加を得た。なお、リクルーティング戦略については、AAO担当者、IAAO担当者及び国際教育交流課職員によるタスクフォースを構成し議論したうえで、令和3年10月より大学院教育支援機構グローバル展開オフィスで引き続き検討している。
大学院生・留学生への施策 学生への経済支援の強化を進めるため、民間資金の獲得に向けた以下の取組を行い、国内外を問わず優秀で高い志を持つ人材の獲得・育成を図った。
  • 平成29年2月に創設した「京都大学基金企業寄附奨学金(CES)」により、継続して民間資金を獲得できるようになり、令和3年度も企業からの寄附を獲得できるようホームページ等にて広報を行った結果、1,500万円の寄附を獲得し、奨学金を35名の学生に支給した。
  • 平成30年1月に創設した「京都大学修学支援基金給付奨学金」について国の施策として令和2年度から実施されている高等教育の修学支援新制度の対象とならない大学院生に対し、令和2年度に引き続き令和3年度も13名を奨学生として採用し、468万円を支給した。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響等により、学業優秀な学生が経済的困窮を理由として修学を断念することのないよう、学資を支援することを目的として、修学支援基金を用いて「京都大学修学支援基金緊急給付型奨学金」を設置し、日本人学生101名、留学生29名の計130名に対し、1,950万円(年額15万円/1人)の奨学金を支給した。
  • 民間からの寄附金による人材育成基金により、本学の多様な分野の優秀な次世代研究者の育成を支援するCFプロジェクトを新たに立ち上げ、学生の経済支援の充実を図っている。令和4年度から奨学金を給付するため、令和3年10月下旬から予約採用の奨学生の募集を開始した。
若手研究者 白眉プロジェクト 自由闊達で独創的な発想に基づく挑戦的な課題研究に取り組む若手研究者を、学術領域を問わず世界中から募り、その研究を5年間保証する京都大学次世代研究者育成支援事業「白眉プロジェクト」については、プロジェクトの構成を見直し、従前の白眉プロジェクトを踏襲した【グローバル型】に加え、文部科学省「卓越研究員事業」を活用した【部局連携型(テニュアトラック型)】による募集を平成28年度から新たに行い、テニュアトラック制の若手研究者採用のスキームを確立した。【グローバル型】については、303名の応募があり、15名(准教授8名、助教7名)の採用を決定した。【部局連携型(テニュアトラック型)】については、本学から2ポストを提示し、2名(助教2名)の採用を決定した。
優秀な若手教員獲得・育成 若手教員雇用の促進に資する施策として、企画委員会の下に設置した若手重点戦略定員専門委員会において、平成30年度に若手重点戦略定員事業を制度化し、学内公募・審査を経て、平成31年4月1日付けで34学系に助教計40名分、令和3年4月1日付で20学系に助教計20名分の定員を措置するに至った。本定員を活用して、令和3年度末時点で98名の若手教員を雇用した。本施策を契機に、各学系における適正な教員年齢構成実現に向けた意識の醸成と若手教員の雇用拡大が進捗しており、同時に大学全体の若手教員比率向上につながった。今後は、雇用した若手教員を中心とした研究の活性化を目指す。
本学は指定国立大学法人構想で第4期中期目標期間内に若手教員比率を30%に引き上げることを目標としているが、令和3年度末時点の若手教員比率は19.7%に留まっている。引き続き、若手重点戦略定員事業等を活用し、若手教員の雇用拡大を図っていくとともに、雇用した若手教員を中心とした研究の活性化を目指す。

3.新たな社会貢献を目指して

社会との連携 産官学連携 「京大モデル」の 構築 令和3年度においては、京都大学が持つ医学・医療・IT・医療情報に関する法令や法規に関する知見と株式会社ファインデックスの持つITサービスの設計・開発・運用・マネジメントの知見を組み合わせ、医療機関、医学研究機関、大学をはじめとする研究機関に対して、クラウド上で新しいサービスを提供する合弁会社フィッティングクラウド株式会社を4月に設立し、京大オリジナル株式会社から出資を行った。子会社を通じた合弁会社の設立など、これまでになかった新しい産学連携の取り組みを実施することで、産官学連携の新しい「京大モデル」構築によるバリューチェーン(価値連鎖)を加速的に展開している。
「組織」対「組織」による産官学 連携の促進 民間企業と課題探索型の「組織」対「組織」の包括連携共同研究を実施した。日立製作所との課題探索型共同研究では、「ヒトと文化の理解に基づく基礎と学理の探究」を研究課題として、(1)人工知能(AI)、(2)2050年の大学と企業、(3)超電顕をサブテーマに設定の上、未来の社会課題を洞察し、その課題解決と経済発展の両立に向けた新たなイノベーション創出への取組を進めている。これらの共同研究の促進に向けて、「日立未来課題探索共同研究部門(日立京大ラボ)」を令和元年度にオープンイノベーション機構へ移管した。これにより、同機構が集中的にマネジメントを行う環境を整え、複数の個別共同研究の組成に繋がった。
また、組織対組織の共同研究組成を展開する同機構が主体となり、これまで積み上げてきた学内研究者とのネットワーク及び個々の研究者が持つ強みなどの情報、並びにマーケティング調査により得た産業界の研究開発関係ニーズ等を保有する京大オリジナル(コンサルティング機能)とが連携し、令和3年度には「京都大学カーボン・ニュートラル推進フォーラム」を設置した。本フォーラムは人文・社会科学を含めた科学的知見の創出及び研究成果の活用等を通じ、カーボン・ニュートラル実現に向けた産業界等との共創による技術革新及び経済社会システムの変革への貢献を目的に、学内外シンポジウムの開催や学内外情報の提供、企業との交流会の開催等を行うものであり、研究者同士の連携、企業との大型共同研究組成及び大型公的資金獲得に繋げるための意見交換の場として、機能している。
社会への貢献 日本とASEANの相互発展 平成27年に採択され、引き続き第2フェーズ(令和2年9月~令和7年3月まで)が開始されたJST国際科学技術共同研究推進事業(戦略的国際共同研究プログラム)「国際共同研究拠点」のもと実施するプロジェクト「日ASEAN 科学技術イノベーション共同研究拠点-持続可能開発研究の推進」(JASTIP)により、中核拠点・研究総括班(WP1)として共同研究のコミュニティを拡大・強化するJASTIP-Netを企画実施した。これにより、新規に41件の共同研究ネットワークの形成を支援し、SDGs達成に向けた多面的・多層的な共同研究プラットフォームの形成を行った。本事業については全学海外拠点であるASEAN拠点が支援を行っている。また、JASTIP事業終了後の自立化の要となるSTIコーディネート人材(日ASEANの科学技術協力による共同研究プロジェクトのマネジメント支援を行う人材)の育成について、ASEAN科学技術イノベーション委員会(COSTI)から日ASEANの多国間協力プロジェクトとしての公認を得たことにより、昨年度の2倍以上の人数がプロジェクトへ参加し、日ASEAN共同研究のネットワーク基盤の強化を一層図ることが可能となった。
人文・社会科学の未来形の発信 本学における人文・社会科学分野の発信方策に関する指針として「『人文知の未来形発信』に向けて」を策定し、部局横断的な組織として、学際融合教育研究推進センターに、発信事業を実働的に担い、人間・社会・環境・自然を総合的に理解する新たな俯瞰知として人文知・社会知の再構築を行うことを目的とした人社未来形発信ユニットを設置し、以下の取組を実施した。
  • 本学人文・社会科学研究の国際的な成果発信を加速し、認知度を向上させるため、人社系英文書籍及び日本語書籍のオープンアクセス(OA)化を行った(外国語書籍等10件、国内出版社の書籍93件)。
  • 令和2年度に新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、人文・社会科学の立場から現状を深く広く考察する視点を社会に提供することを目的として、人社未来形発信ユニットが開始したオンライン公開講義シリーズ「立ち止まって、考える」のシーズン3を実施し、YouTube上でアーカイブ化した(対談:計2回、オンライン講義:計20回、公開後1.5ヶ月でシリーズ6.6万回再生)。また、広く世界に向けて発信できるよう、令和2年度に実施したシーズン1,2も含めて英語字幕を設定した(計40件)。また、この取組は「PRアワードグランプリ2021 シルバー賞」及び「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS ACC シルバー賞」を受賞するなど、人文・社会科学の価値を広く社会に発信した。
なお、令和3年度末に人社未来形発信ユニット及びこころの未来研究センターをそれぞれ廃止し、人文・社会科学やその学際研究の発展を図り、また、自然科学をはじめ本学の多様な分野の研究に人文・社会科学の知見をもって貢献することを目的として、新たに本学の学際的組織を含む人社系部局、研究者を有機的に繋ぎ合わせるハブ的役割を担う全学の研究支援組織として、学際研究の促進と新規分野の開拓並びに自然科学をはじめとする他分野への貢献、国際学術誌編集及び研究成果可視化・発信機能、産官学連携・コンサルティング機能を担う「人と社会の未来研究院」を令和4年4月に設置することを決定した。

4.世界に伍する京大流大学運営

ガバナンス強化/財務基盤強化 ガバナンス強化 京大版プロボストと戦略調整会議 総長からプロボストに対して要請した複数の検討課題に関して、プロボストを議長とする戦略調整会議において検討を行った結果、指定国立大学法人構想に掲げた人文・社会科学の未来形発信の実施体制を強化する「人と社会の未来研究院」の設置や、学術研究支援室(KURA)の機能を強化した「学術研究展開センター」の設置決定につながった。さらに、女性教員比率の数値目標設定を含む「京都大学男女共同参画推進アクションプラン(2022年度~2027年度)」の策定、優秀な若手研究者の獲得と定着を図るための施策(白眉プロジェクトの一部見直し及び女性・若手教員採用のための定員貸与制度)、第4期中期目標期間における「ICT基本戦略2022」の策定等にもつながった。
このように、ガバナンス改革の取組により、プロボスト及び戦略調整会議が有効に機能することで、指定国立大学法人構想をはじめとする本学の更なる発展に向けた施策が着実に進捗しており、若手・女性研究者をはじめとする人材育成、研究力強化等に大きく寄与している。
エビデンスベースの大学運営 大学の今後の方向性に係る判断を支援する分析情報を、リサーチ・アドミニストレーター(URA)が役員へ提供することで、大学の経営マネジメント強化への貢献が拡大した(令和3年度86件提供)。また、プロボストが行う業務に係る必要な企画立案、連絡調整等を行うプロボストオフィスにURAがメンバーとして参画し、研究IRを担当するURA、国際グループURA等と協働して、プロボストが行う活動に必要な調査や情報収集・提供を行った。
さらに、IR推進室において、大学運営に関する課題等、様々なテーマについて調査分析を行い、その結果から見える本学の課題等について取りまとめたレポートを総長・理事に提示し、執行部の迅速な意思決定を支援した。
財務基盤強化 自己収入の拡大 京都大学基金の寄附募集活動について、以下のような取組を実施した。
  • 企業からの寄附による返済不要の奨学金制度として、平成28年度より開始した「企業寄附奨学金(CES)」については、令和2年度に引き続き、令和3年度も個社別にオンラインで学生との顔合わせを行った結果、順調に寄附を受入れ、学生に奨学金を支給することができた(令和3年度:参加企業11社、寄附額約1,500万円、奨学金支給人数35名)。
  • クラウドファンディングによって、過去の寄附者とは異なるターゲット層へ寄附のアプローチを行い、これまでの外部資金の応募等では獲得が難しかった基礎研究・萌芽的研究等における資金獲得の機会拡大を図った。
  • 京都大学創立125周年に向けての活動としては、コロナ禍において訪問活動が制限される中でも、学部・学科同窓会、地域同窓会とより効果的なアプローチをするべく連携を深め、卒業生に向けて広報誌を同封したダイレクトメールを発送することで、125周年事業を紹介し、個人からの寄附獲得のための活動を強化した。その結果、令和3年度は卒業生から1.5億円の寄附申込を受け入れた。
  • 本学出身の女性が相互の関係を深めながら、ネットワークを新たに構築するとともに、本学の女子学生や女性研究者等へ緩やかな支援を行う組織として、「京都大学ここのえ会」を創設し、今まで本学には存在しなかった学部や研究科の枠を越えて女性が広く集える会を通じて、母校である本学の発展に寄与することを目的とする新たな寄附金の募集を開始した。
  • 生命科学を主とする自然科学分野の研究分野において強い志と高い資質を有する若手研究者を対象に、雇用・研究資金を助成し、優秀な研究者の育成に資するため、本学内に「小野薬品・本庶記念研究基金」を設置することについて合意し、その原資となる230億円の寄附受入に至った。
京大収益事業 平成29年6月30日に本学が指定国立大学法人に指定され、指定国立大学法人にのみ出資が認められているコンサルティング事業、研修・講習事業等を実施する事業子会社である京大オリジナル株式会社を平成30年6月に設立し、ベンチャー創出機能を有する「京都大学イノベーションキャピタル株式会社」及び技術移転機能を有する「株式会社TLO京都」、「iPSアカデミアジャパン株式会社」の子会社と、また、法務部門から独立化を図った「京都アカデミア法律事務所」、組織対組織の共同研究等を集中的にマネジメントする「オープンイノベーション機構」との有機的な連携を図るなど、研究成果・知的財産の活用促進に向けた産官学連携の新しい「京大モデル」構築を令和3年度も引き続き進展させた。