1. 柔軟かつダイナミックな体制による知の創造
  2. 高度で多様な頭脳循環の形成
  3. 新たな社会貢献を目指して
  4. 世界に伍する京大流大学運営

1. 柔軟かつダイナミックな体制による知の創造

研究力強化/国際協働

最先端研究の推進

再生医療と先端医学研究

カリフォルニア大学サンディエゴ校の協力のもと、 「京都大学サンディエゴリエゾンオフィス」を新たに設置し(平成29年4月) 、米国西海岸における国際共同研究の創発、産学連携の全学的な支援を進めている。

また、本学の強みである医学生理学の研究を活かし、ゲノム医学分野で今後の予防医学研究を主導できる人材の育成を目的とする 「医学研究科博士課程京都大学・マギル大学ゲノム医学国際連携専攻」を設置した。 (※定員4名に対し、両大学における選考の結果、平成30年5月に4名が入学した。)

化学と生命科学の融合( iCeMS

平成29年2月に連携協定を締結 したVISTEC(Vidyasirimedhi Institute of Science and Technology)との間で、平成30年1月に共同シンポジウムを開催する等、連携強化に向けた協議を継続した。 VISTEC にラボを設置することで基本的合意に達し、双方の機関で具体的な準備を開始した。

高等研究院 WPI拠点 を大学として継承し、その成果を学内外に展開していくため、 高等研究院 に研究拠点として 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS) (平成29年4月)を設置し、iCeMSにおいては、引き続きWPI拠点として物質-細胞科学における国際的な最先端研究を実施する等、国際研究拠点としての研究活動を展開した。さらに、連携研究拠点として 産総研・京大 エネルギー化学材料オープンイノベーションラボラトリ(ChEM-OIL) (平成29年4月)及び理研-京大科学技術ハブ(平成30年3月)を設置し、双方の強みを生かした最先端研究やイノベーション実現のための活動を開始した。
On-site Laboratory On-site Laboratory の設置に向け、戦略調整会議のもとに設置した小委員会(平成29年度:3回開催)において

On-site Laboratory事業の制度設計に係る検討を行った。

2. 高度で多様な頭脳循環の形成

人材獲得・育成/国際化

若手研究者

白眉プロジェクト

【グローバル型】については、382名の応募があり、11名(准教授6名、助教5名)の採用を決定。【部局連携型(テニュアトラック型)】については、本学から9ポストを提示し、5名(准教授3名、助教2名)を採用。また、平成30年度の採用を目指して、国際公募等を調整中。

研究者採用累計数:141名

優秀な若手教員獲得・育成

若手教員ポストの拡充施策について、戦略調整会議のもとに設置した小委員会(平成29年度は6回開催)において、若手教員ポスト確保に向けた「研究力強化のための次世代を担う若手人材育成基盤構築」事業について、検討を行った。

また、文部科学省より採択を受けた「 科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業 」(平成26年度)において、次代を担う若手研究者の育成を目指す事業による国際公募を実施し、平成29年度は3部局(3名)を採用した。また、新たに2部局(2名)の事業を選定し、平成30年度の採用を目指して、国際公募等の調整を行った。

学生

吉田カレッジ( Kyoto University International Undergraduate Program(Kyoto iUP)

平成29年8月に第1期選抜を実施し25名の志願者を得たが、最終合格者はなかった。平成29年10月からは第2期選抜を実施し、志願者33名について選抜を行った結果、3名の合格者を得た(平成30年2月、国際高等教育院教養・共通教育協議会了承)。これらの合格者に対し、平成30年度は日本語及び日本と教育到達度に差のある科目を集中して履修させる予備教育を実施する。

広報・リクルート活動は、 Kyoto iUPのホームページ 及び パンフレット による広報に加え、ASEAN6ヶ国(タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン)へそれぞれ2~3回程度、本学教職員で構成されたリクルーティングチームを派遣したほか、ブータン、台湾へもリクルーティングチームを派遣し、特に台湾は現地同窓会等の強力なバックアップを得て第2期選抜の志願者増にも直接繋がる等、対象国を拡大しながら着実に取組を進めた。

卓越大学院プログラム

平成28年4月に 「「卓越大学院(仮称)」構想に関する基本的な考え方(概要)」 が公表されて以降、執行部及び理事・副学長等を構成員とする卓越大学院WGを中心に各部局への意向調査・調整を進め、申請の意向が確認された8プログラムのうち、平成30年度は3プログラムを候補として準備・調整を進めていくこととした。平成30年4月に設置する大学院横断教育プログラム推進センターにおいて全学的体制で実施するとともに、関係部局が積極的に協力・支援することとしている。

申請にあたっては、大学院横断教育プログラム推進センター設置準備委員会において、平成30年度申請予定の3プログラムに対する学内審査を実施した(平成30年1月30日)。(この結果を踏まえ、2プログラムを申請することを役員会において決定した。(平成30年4月10日、役員会))

大学院共通・横断教育基盤

大学院レベルの全学共通的な教育を充実させるため、「大学院共通・横断教育実施体制専門委員会 中間報告」(平成29年2月)に基づき、平成29年度は、 国際高等教育院 の部会において具体的な提供科目内容の検討を進め、 大学院共通科目群 として、キャリア形成特別部会が「社会適合分野」を、データ科学部会及び情報学部会が「情報テクノサイエンス分野」を、英語部会及び日本語・日本文化部会が「コミュニケーション分野」を、 大学院横断教育科目群 としては研究科横断教育特別部会がそれぞれ担当し、平成30年度から大学院共通科目群は研究倫理・研究公正、学術研究のための情報リテラシー基礎、大学院生のための英語プレゼンテーションなど計12科目、大学院横断教育科目群は人文社会科学系、自然科学系、統計・情報・データ科学系、健康・医療系、キャリア形成系、複合領域系の6分野において、研究科により開講される科目85科目、国際高等教育院により開講される科目4科目、など計89科目の提供を行うこととした。また、全学共通科目の科目群改編や大学院レベルの全学共通的な教育の充実に関連して、教養・共通教育から学部・大学院の専門教育までを通じた情報・統計・数理の全学的教育基盤を整備するため、 データ科学イノベーション教育研究センター を設置し(平成29年4月)、6名の特定教員を採用して我が国を支えるトップレベルの人材育成を行うべく科目開発等を進め、平成30年度から全学共通科目6科目、大学院共通科目3科目、計9科目の提供を行うこととした。また、平成30年4月には更に特定教員1名を雇用することとした。

GSTセンター 次代を担う大学教員・研究者や国際的に活躍できる多様な人材を社会の各方面に輩出することを目的として、ティーチング・アシスタント(TA)及びリサーチ・アシスタント(RA)業務の質向上や制度充実を目指すため、国内の先進事例について、訪問調査(北海道大学、平成30年2月)による情報収集を行うとともに、戦略調整会議のもとに設置した小委員会において「GST(Graduate Student Training)センター(仮称)の設置」に向けた検討を開始した。
留学生リクルーティングオフィス

「留学生リクルーティングオフィス(仮称)」の設置に向け、戦略調整会議において検討を行うこととし、平成29年度はIR推進室を中心に国内外の先進事例等(名古屋大学、平成30年2月)について情報収集及び調査を実施した。

(再掲)

Kyoto iUP における広報・リクルート活動は、 Kyoto iUPのホームページ 及びパンフレットによる広報に加え、リクルート重点国としたASEAN6ヶ国(タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン)へそれぞれ2~3回程度、本学教職員で構成されたリクルーティングチームを派遣したほか、ブータン、台湾へもリクルーティングチームを派遣し、特に台湾は現地同窓会等の強力なバックアップを得て第2期選抜の志願者増にも直接繋がる等、対象国を拡大しながら着実に取組を進めた。

大学院生・留学生への施策 将来の卓越した研究者候補として極めて優れた資質・能力を有する学生が経済的理由により博士後期課程への進学を断念することが無いよう、進学前から奨学金給付を保証することにより進学を促すことを目的とした給付型奨学金制度「京都大学 博士後期課程特別進学支援制度(KSPD)」を平成28年度に創設し、平成29年度は28名の学生を採用した。博士後期課程進学後に年額144万円を支給予定。

3. 新たな社会貢献を目指して

社会との連携

社会への貢献

日本とASEANの相互発展

「日ASEAN科学技術イノベーション共同研究拠点-持続可能開発研究の推進」(JASTIP) において、タイ、インドネシア、マレーシアの「環境・エネルギー」、「生物資源・生物多様性」、「防災」の3分野の サテライト 拠点にて、日ASEAN研究者によるSDGs達成に向けた国際共同研究を実施し、研究開発された成果の社会実装を促進するよう国際協力を行っている。また、サテライト拠点における研究開発、人材交流などを通じて大学院生を含む若手研究者の育成にも注力し、ASEAN各国を代表する大学等と日本の大学・研究機関間の研究ネットワークをさらに強化することにより、次世代のイノベーション人材の育成を促進した。本事業に関しては、本学の海外拠点である ASEAN拠点 やリサーチ・アドミニストレーターが支援を行っている。

ASEAN拠点においては、今後、日ASEANの大学・研究機関等との教育研究・人材交流活用のハブ機能を強化するとともに、オールジャパンでASEAN諸国とより緊密な連携体制を確立していくため、 平成30年3月にタイ労働省によるNGOの認可を受けた。

人文・社会科学の未来形発信

京都から人類のために人文学の新しい潮流の形成と世界への発信を行う「人文・社会科学の未来形の発信」の取組として、英語による発信能力と人文社会系の分野融合的研究能力を兼ね備え、ヨーロッパの多様性を体感したグローバル人材の養成を目的として、 京都大学・ハイデルベルク大学国際連携文化越境専攻 を、文学研究科修士課程に平成29年10月に設置した。

また、これまでの多様な知の蓄積を生かし、人文・社会科学の思考を広げて国公私立大学の垣根を越えて、社会や世界に開かれた窓となって新しい知の創造を呼びかけようとする 総長談話「人文・社会科学を生かした新しい学問世界の構築を目指して」を平成30年3月30日付けで発表した。

産官学連携

「京大モデル」構築

「大学の街―京都」を東京で発信する新たな試みを行うという趣旨に賛同いただいた京都府下の9大学(平成31年度より8大学)との連携のもと、本学の東京オフィスの隣接スペースに「 京都アカデミアフォーラム 」を開設し(平成29年7月)、京都府下の大学との協働による 京都アカデミアウィーク 等のイベント開催や、参加大学の学生募集、教員、学生の発表の場としての活用、就職活動に資する場としての活用のほか、企業をより深く知り、研究内容の検討、研究者と企業のネットワークの構築を図るため、本学で創出された研究成果を紹介する「 京大テックフォーラム 」(平成29年度実績:全18回)等のイベントを開催した。

また、コンサルティング、研修・講習事業等を実施する本学100%出資の 京大オリジナル株式会社 の平成30年6月設立に向け、文科省へ認可申請(平成30年3月)を行った。
(平成30年5月14日付けで出資認可。6月1日付け設立)

「組織」対「組織」
  • 「組織」対「組織」の本格的な産官学連携を展開するために、民間企業等からの大型資金の導入を進め、さらに民間企業等のノウハウ・知見を取り込み、知・人材・資金の好循環を生み出すことにより、本学の研究教育活動の活性化へとつなげることを目的として、新たに「 京都大学産学共同講座及び産学共同研究部門規程 」(平成29年達示第59号)を制定した。

 

  • 経済研究所 では、前年度(平成28年度より) 先端政策分析研究センター を中心に、大学本部および 医学研究科附属ゲノム医学研究センター と協力し、数量的・統計的エビデンスに基づき、生命科学的要因と社会科学的要因によって人や社会のあり方を解明する「エビデンス・ベース社会の構築に向けた人文社会科学の学際融合最先端研究人材養成事業」を推進している。この一環として、2007年より医学研究科付属ゲノム医学センターが滋賀県長浜市で実施している、国際的に高い評価を受けるゲノム・健康情報調査を拡張し、所得、資産、雇用から社会関係資本とも連動する人間科学コホートデータの構築を平成29年1月に開始した。
    平成29年度は、この調査によるデータの整理、解析に力を注ぐとともに、社会の組成とアルコール分解能力との関係など、このデータを活用した新たな研究に着手した。また、平成30年度に予定される第二回の人間科学基礎データ構築の準備として、社会関係資本のより精緻な定量化の手法を検証した。

4. 世界に伍する京大流大学運営

ガバナンス強化/財務基盤強化

財務基盤

自己収入の拡大

京都大学基金 戦略(H26)」、 創立125周年 に向けた具体的な活動計画「基金戦術」(平成29年9月改定)を推進するため、ファンドレイザー(寄附募集に係る企画・渉外活動の担い手)を2名増員し基金室の体制を強化した。積極的な寄附募集活動を行った結果、平成29年度の京都大学基金寄附金受入額は対前年度比で約11億円の増となった。(寄附金全体では約20億円増)

 

京都大学基金の寄附金受入額(累計):70億円

京大収益事業

(再掲)

コンサルティング、研修・講習事業等を実施する本学100%出資の 京大オリジナル株式会社 の平成30年6月設立に向け、文科省へ認可申請(平成30年3月)を行った。(平成30年5月14日付けで出資認可。6月1日付け設立)

ガバナンス

京大版プロボストと企画調整会議

大学の将来構想、組織改革等に関する包括的又は組織横断的課題について、戦略を立案するとともに、策定された戦略の推進に向け、調整を図る「京大版プロボスト」を創設するため、平成29年9月に関係規程の制定・改正を行った。また、 10月にプロボストを指名 し、プロボストオフィスを設置した。さらに、11月にプロボストを議長とし、プロボストが指名した副プロボスト4名及びその他9名の教員により戦略調整会議を設置した。

11月28日開催の教育研究評議会で総長からプロボストに対して「指定国立大学法人構想に掲げた各種施策の実行に向けた検討」が要請されたことを受け、第1回戦略調整会議において 指定国立大学法人構想 に掲げられた各種施策のうち(1)若手教員ポストの拡充施策、(2) On-site Laboratory の設置、(3)「GST(Graduate Student Training)センター(仮称)」の設置、(4)「留学生リクルーティングオフィス(仮称)」の設置、(5)人文・社会科学の未来形発信、(6)政府への要望(授業料設定の柔軟化、学生定員の自由化)について議論を開始することをプロボストが発議した。これらのうち(1)(2)(3)(4)(5)については戦略調整会議の下に別途小委員会を設置し、副プロボスト4名をそれぞれ委員長を指名し、詳細な検討を開始した。(平成29年度会議開催実績:戦略調整会議5回、戦略調整会議小委員会14回)

エビデンスベースの大学経営

IR推進室を中心に、経営IRでの利用を目的として、平成29年3月に導入したビジネスインテリジェンスツール(IR担当部署が各種分析を効率的に行うためのシステム)を活用し、大学の基礎的情報や中期目標等の数値目標(KPI)の達成状況を可視化することで執行部の時宜に応じた意思決定を支援する「京都大学ダッシュボード」を構築した他、「GST(Graduate StudentTraining)センター(仮称)」及び「留学生リクルーティングオフィス(仮称)」の設置に向け、国内外の先進事例等について情報収集及び調査を実施し、プロボスト等への情報提供を行う等、国際的視野に立った大学の方針決定に資するIR機能の強化を行った。