監事ノート(18)(2012年3月30日)

監事ノート(18)(2012年3月30日)

 平成23年度も年度末を迎え、第二期中期計画の2年目が終わろうとしています。

 今後本年度の業務の執行状況を自己点検し、自己評価することになりますが、その結果を平成24年度の業務の執行に活かしていかなければなりません。大学業務の執行は螺旋状の階段を登るように年々大学業務の執行の質を向上させていく必要があります。研究・教育・病院・社会貢献の質の向上を果たしていかなければならないからです。そのためには大学業務の執行の中に「質の向上の仕組」を組み込み、大学業務の執行に関する質の向上が果たされていくように工夫していくことが必須です。たとえばその好例として各種の研修が実施され、研修終了時に参加者から意見を求め、出された参加者の意見を次年度の研修の充実に活かしていくことが挙げられます。研修の質の向上を果たしていくためには、「参加者の意見を求め、次年度の研修に活かす」という「質の向上の仕組」を有効に働かせていかなければならないのです。さもなければ毎年同じ業務の執行を繰り返し、質の向上の歩みを止めてしまうことになりますし、大学を取り巻く環境が激しく進展することを考えると、質の向上の歩みを止めているのではなく、後退してしまうことになってしまいます。

 他方大学業務の執行に関する基本的事項は、毎年業務の執行の中で繰り返し実行しつつ、習慣化していくことが必要です。過去4年間の監事監査を通じて業務の執行に関する基本的事項として、「施策の基本的考え方または基本的方向性の明確化」「目標または目標状況の明確化」「施策の実行計画の立案と実施」「P-D-C-Aの実行」「双方向コミュニケーションの徹底」などを述べてきました。これらの事項を毎年繰り返し実行し、習慣化していくことにより、それぞれの事項の質が向上し、組織も個人も年々成長していくことができるものと思います。詳細は京大広報 No.675に述べさせていただきましたので、ご一読いただければ幸いです。

 監事としても定期監査および臨時監査の監査結果を可能な限り報告書として社会に発信し、大学の説明責任を果たす役割の一端を担ってきました。京都大学の価値向上に資すると考えたからです。学内においても監事意見を汲み取っていただき、京都大学の価値向上に役立てていただきたいと願っています。

 これまで監事としての任務を果たすことができましたのは、総長、理事、機構長、部局長、教職員の皆さんから積極的に協力、支援していただいたお蔭であると深く感謝いたしております。ありがとうございました。

監事 平井 紀夫
監事 畑 守人