紅萠(くれなゐもゆる) 11号~20号

20号(2011年9月)


20号(2011年9月)
PDF:7.64MB

表紙

北部総合教育研究棟(益川記念館)
湯川秀樹教授の日本初のノーベル物理学賞受賞を記念して、1952年に京都大学北部構内につくられた「湯川記念館」を前身に、京都大学基礎物理学研究所が翌年に誕生。半世紀後の2011年4月に、7代目所長を務めた益川敏英京都大学名誉教授の同賞受賞を記念して、全学共用スペースとしてこの記念館が完成した。玄関で出迎えるのは、数十年この地に根 を張るウツクシマツ(アカマツの一品種。自生する滋賀県湖南市では天然記念物に指定)。移植の経緯は定かではないが、堅牢な窓枠に映えるやわらかな枝ぶりが心地よい。

1. 巻頭エッセイ 私を変えた、あの人、あの言葉

生涯の友
松尾 依里佳

2. 巻頭座談会

科学の危機と大学人の使命
ゲスト-宇根﨑 博信+篠原 真毅
ホスト-松本 紘
進行-國友 浩

3. 研究の最前線

ナノバイオ創薬とドラッグデリバリーシステム
橋田 充

4. 邁進・京大スピリット-学生たちの活躍

2010年度京都大学総長賞/工学研究科ナノ・マイクロシステム研究室/ラグビー部/書道部

5. 授業に潜入!「おもしろ学問」講義録

五十音図の謎-日本語の「音のしくみ」を考える
大槻 信

6. ふりかえれば未来-モノ語る京大の歴史

知の発信者-司馬江漢の好奇心とその魅力
山田 裕子

7. 京都大学をささえる人びと

私は「現場主義」。相手は生きものですからね
村上 弘明

8. 京都大学の動き

9. 追憶の京大逍遥

私の狂言遍歴-窮まりなき世界へ
網谷 正美

19号(2011年3月)


19号(2011年3月)
PDF:6.78MB

表紙

時計台前のクスノキとカンフォーラ
京都大学のシンボルといえば時計台とクスノ キ。伸びやかに枝を広げるその姿は、大学のエンブレムとなり、総長カレーが人気の正門脇のカフェレストラン「カンフォーラ」の名前の由来にもなった。じつはこのクスノキは、1934年の室戸台風後に植えられた2代目。1912年に火事で焼失した京都帝国大学本館に代わって、1925年に時計台が完成したと きには初代はすでに植えられていた。以来、数えきれないほどの京大生を迎え、その門出を見守りつづける。

1. 巻頭エッセイ 私を変えた、あの人、あの言葉

一瞬の交差
鳥越 俊太郎

2. 巻頭座談会

医師から勝負師への転身-気迫と気力で道は必ず開かれる
ゲスト-坂井 秀至
ホスト-大西 有三+年光 昭夫

3. 研究の最前線

経済史から東アジア世界をみる
堀 和生

4. 邁進・京大スピリット-学生たちの活躍

2009年度京都大学総長賞〈居合道部〉/草間 亮一/硬式野球部/京都大学交響楽団

5. 授業に潜入!「おもしろ学問」講義録

力積と○○○変化-すべての運動は方程式のいうとおり!?
舟橋 春彦

6. ふりかえれば未来-モノ語る京大の歴史

藤田和夫博士と京都大学カラコラム・ヒンズークシ学術探検隊(KUSE)地質班関係資料
山下 俊介

7. 京都大学をささえる人びと

小さな「ひとこと」を大きな満足に
吉川 美重子

8. 京都大学の動き

9. 追憶の京大逍遥

たった一枚の写真
龍村 仁

18号(2010年9月)


18号(2010年9月)
PDF:5.61MB

表紙

吉田南総合館から望む百周年時計台記念館
通りを隔てて時計台記念館と向き合う吉田南構内は、京都大学の全学共通教育の拠点。学部の枠を超えて全学生が履修する全学共通科目の授業の多くは、この吉田南構内で開講される。アーチ型の通路が特徴的な吉田南総合館の屋上には、「自由の学風」の源泉、旧第三高等学校(三高)の象徴だった「自由の鐘」が掲げられ、構内を行き交う学生たちに正午の時を告げる。

1. 巻頭エッセイ 私を変えた、あの人、あの言葉

マザー・グースの歌
福岡 伸一

2. 巻頭座談会

白眉プロジェクトが拓く地平の可能性
-国を超え専門領域を超えて拡がる人の輪と和
ゲスト-ネイサン・バデノック、前田 理、松尾 直毅
ホスト-松本 紘

3. 研究の最前線

新しい「教育評価」の導入で、子どもが輝く教育をめざす
田中 耕治、西岡 加名恵

4. 邁進・京大スピリット-学生たちの活躍

週末子ども博物館/2009年度京都大学総長賞/将棋部/ボート部

5. 授業に潜入!「おもしろ学問」講義録

記憶と学習-脳のしくみをのぞいて自己を知る
田中 真介

6. ふりかえれば未来-モノ語る京大の歴史

学徒兵からの手紙-秘められた静かなる覚悟
西山 伸

7. 京都大学をささえる人びと

手の届く国際交流を
槻木 竜二

8. 京都大学の動き

9. 追憶の京大逍遥

「虚」の世界にちりばめられた「実」
綾辻 行人

17号(2010年3月)


17号(2010年3月)
PDF:3.45MB

表紙

京都大学所蔵の貴重資料、絵巻物・奈良絵本コレクションの「三十六歌仙」の電子画像から抜粋し、コンピュータ処理により合成した。奈良絵本は、室町時代末期より江戸時代初期にかけてつくられた彩色の挿絵を入れた古写本のことで、筆者や製作年代を記したものがきわめて少なく、本資料も、筆者・製作年代ともに不詳である。藤原公任が、柿本人麻呂をはじめとするすぐれた歌人36人から各3~10首の歌を選んだ「三十六人撰」に基づき、三十六歌仙という。

1. 巻頭対談

科学技術立国の条件
ゲスト-山中 伸弥
ホスト-松本 紘

2. 心の中の京都大学

原点が甦る一枚の写真
櫻井 潔
研究生活から文部科学行政へ
川村 匡

3. 研究の最前線から

花が咲くメカニズムを解明
荒木 崇

4. これ‐ぞ、なむ、や、か、こそ‐学問

インド古典の諸相
赤松 明彦

5. 京都大学をささえる人びと

松下 隆壽

6. 輝きは躍動から

篭橋 一輝、中西 克典

7. 京都大学再発見ツアー

低温物質科学研究センター
研究に不可欠な「極低温」の実験環境を提供

8. 附属図書館のモノ

貴重書の中の「人気者」「国女歌舞妓絵詞」
吉田 弘子

裏表紙 京都大学の動き

16号(2009年10月)


16号(2009年10月)
PDF:3.01MB

表紙

京都大学所蔵の「誥命(こうめい)」から抜粋し、コンピュータ処理により合成した。清代、位階を与える際の文書を誥命、勅命という。これは満州人仏保Fobooの亡き祖父母である達喇木Dalame、瓜爾佳Gu-walgiyan氏を封ずる誥命で、江寧織造(南京の官営織物工場)五色紵絲(各種図案や文字を織り込んだ厚手の絹織物で錦織に相当する)に漢字と満州文字で記されている。

1. 巻頭鼎談

研究と教育における教養
ゲスト-川口 昭彦
ホスト-塩田 浩平、西村 周三

2. 心の中の京都大学

京都が育む異才たち
中村 和男
ゼミとアーチェリー漬けの日々
桑原 智美

3. 研究の最前線から

パレスチナ、生の最前線で紡がれる文学
岡 真理

4. これ‐ぞ、なむ、や、か、こそ‐学問

ヘリオトロンの火で「創造する物理学」を実践
佐野 史道

5. 京都大学をささえる人びと

戸田 好信

6. 輝きは躍動から

木村 里子、高畠 聡美

7. 京都大学再発見ツアー

生態学研究センター
植物にはボディーガードがついている

8. 総合博物館のモノ

X線研究の黎明
理化学実験機器
塩瀬 隆之

裏表紙 京都大学の動き

15号(2009年3月)


15号(2009年3月)
PDF:4.26MB

表紙

「西夏文華厳経」(京都大学蔵)より。木活字刊本とされる「西夏文華厳経」は、巻1から巻5までが文学部に、巻6から巻10までが人文科学研究所に所蔵されている。宋末の中国西北部に建国した西夏(1038~1227 年)は、仏教を取り入れ多数の漢語・チベット語仏典を西夏語に翻訳した。漢字を基にした西夏文字は、近年まで解読不能だった。西夏文字解読に大きな貢献のあった西田龍雄京都大学名誉教授の研究書「西夏文華厳経」(京都大学文学部刊)から文献の書影部分を抜粋し、コンピュータ処理により合成した。西田教授は2008 年の文化功労者に選ばれている。

1. 巻頭鼎談

基礎学術は学問の源流
ゲスト-益川 敏英、金田 章裕
ホスト-松本 紘
司会-大西 珠枝

2. 心の中の京都大学

私が歩んできた道
延吉 正清
「自分の限界」を超えて
藤本 一郎

3. 研究の最前線から

人類の将来を握る育種の成果
谷坂 隆俊

4. これ‐ぞ、なむ、や、か、こそ‐学問

満洲国が語りかけるもの
山室 信一

5. 京都大学をささえる人々

馬渡 秀夫

6. 輝きは躍動から

神田 靖範、伊能 雄也

7. 京都大学再発見ツアー

環境保全センター
エコ・キャンパスを目ざして奮闘中

8. 附属図書館のモノ

先人の遺志を継ぎ、歴史を遺す
維新特別資料文庫
渡邊 伸彦

裏表紙 京都大学の動き

14号(2008年9月)


14号(2008年9月)
PDF:4,26MB

表紙

京都大学附属図書館所蔵の古典籍「スマトラ・バタック語写本」から抜粋し、コンピュータ処理により合成した。

1. 巻頭座談会

「京都大学総長賞」受賞者と語る
創造的精神がはばたく時
ゲスト-新木 邦生、久保 洋介、辻本 吉廣、中川 崇
ホスト-尾池 和夫

2. 心の中の京都大学

奇人変人教授列伝
竹内 洋
若い同窓会
松村 圭一郎

3. 研究の最前線から

美しいランドスケープと自然再生
森本 幸裕

4. これ‐ぞ、なむ、や、か、こそ‐学問

わが友、分子シャペロンと短歌
永田 和宏

5. 京都大学をささえる人々

山本 善万

6. 輝きは躍動から

大野 恵、原田 太輔

7. 京都大学再発見ツアー

ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー
起業支援組織の多彩な活動

8. 総合博物館のモノ

花と昆虫の共生関係
ポリネータ(訪花昆虫)ゼミ・コレクション
角谷 岳彦

裏表紙 京都大学の動き

13号(2008年3月)


13号(2008年3月)
PDF:3.62MB

表紙

京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科所蔵の「イスラーム学貴重資料集成」。中央の三角はアラビア語貴重資料「ムハンマドの系譜」(石版)から、左下の菱形、周囲四辺の模様はアラビア語貴重資料「シーア派に関する著作5」(石版)から、右上の赤字はアラビア語およびオスマン語貴重資料「ベクタシー教団儀礼書」(写本)、その他はアラビア語およびオスマン語貴重資料「宝石の庫と彩花の蔵」(写本)から抜粋し、コンピュータ処理により合成した。

1. 巻頭対談

産官学連携のポリシー
ゲスト-奥村 直樹
ホスト-松本 紘

2. 心の中の京都大学

「ものの見方」を養う
野村 明雄
社会科学のエッセンスを学ぶ
岩田 真智子

3. 研究の最前線から

ニュートリノの質量の謎に迫る
中家 剛

4. これ‐ぞ、なむ、や、か、こそ‐学問

愛と歩と私
松沢 哲郎

5. 京都大学をささえる人々

小林 惠美子

6. 輝きは躍動から

兼子 和佳子、永持 達也

7. 京都大学再発見ツアー

埋蔵文化財研究センター
構内には多数の遺跡

8. 附属図書館のモノ

新聞文庫
錦絵新聞が特徴
渡邉 誠

裏表紙 京都大学の動き

12号(2007年9月)


12号(2007年9月)
PDF:3.19MB

表紙

京都大学附属図書館所蔵の絵巻物・奈良本コレクションのうち「伊勢物語」のいくつかの場面をコンピュータ処理により合成した。

1. 巻頭対談

伝統の魅力をどう発信するか
ゲスト-池坊 美佳
ホスト-木谷 雅人、大嶋 正裕

2. 心の中の京都大学

平澤興先生のこと
吉田 修
京都大学、ここ十年の変化
小原 丈明

3. 研究の最前線から

人とモノのネットワークから地域を見る
足立 明

4. これ‐ぞ、なむ、や、か、こそ‐学問

動物とかかわり、広がる生きる知恵
矢野 智司

5. 京都大学をささえる人々

楠田 敏之

6. 輝きは躍動から

衣笠 陽子、音羽 佑規

7. 京都大学再発見ツアー

国際交流センター
国際的学術交流を支援する

8. 総合博物館のモノ

日本最大級の標本コレクション
植物の姿を同時的に再現する
永益 英敏

裏表紙 京都大学の動き

11号(2007年3月)


11号(2007年3月)
PDF:2.81MB

表紙

京都大学附属図書館所蔵の「エチオピア・ゲース語写本」のうち、左ページの文と右ページの絵の見開きをコンピューター処理により合成した。

1. 巻頭対談

モノづくりはひとづくりから
ゲスト-稲葉 よしみ
ホスト-西村 周三、塩地 洋

2. 心の中の京都大学

日中のかけ橋として
大森 經
街と一体化した学問の府
藤原 洋

3. 研究の最前線から

「柔らかな機械」を目指して
土屋 和雄

4. これ‐ぞ、なむ、や、か、こそ‐学問

免疫システムを統御する樹状細胞のユニークなスーパーメカニズム
稲葉 カヨ

5. 京都大学をささえる人々

山口 加乃子

6. 輝きは躍動から

石野 誠悟、岩瀬 繁信

7. 京都大学再発見ツアー

桂キャンパス
新しい大学像の実験場

8. 京都大学のモノ

マリク出版の図書とブレヒトの初版本
ワイマール共和国時代文献コレクション
片山 淳

裏表紙 京都大学の動き