渡航に必要な諸手続きは、以下の項目を参考にチェックリストなどを作成して効率良く行いましょう。

1. パスポート(旅券)

パスポートは早めに取得しましょう。残存有効期間が1年未満なら、留学出発前に新しいパスポートに切り替えることができるので、留学途中で有効期限が切れたりしないように手続きをしてください。

2. ビザ(査証)

国によっては、ビザの要・不要、必要書類、発行までに要する時間、申請手数料などの規定が異なります。また、その規定も予告なく変更されることが多いため、必ず直接関連機関に問い合わせ、余裕を持って手続きを行ないましょう。

3. 予防接種

出願時または入学時に、予防接種を要求する国や学校があるので、事前に志望校に確認しましょう。また、自分の身を守るという観点からも、破傷風、肝炎等、地域に応じて必要と思われる予防接種は受けておきましょう。

4. 海外旅行保険

保険制度は国により様々で、留学生に対する扱いも異なっています。不慮の事故や病気に備えて、各自で留学前に海外旅行保険に必ず加入してから出発してください。その際には、保険の適用範囲、限度額、留学先近辺の支店などを、十分比較検討してください。また、国によっては指定された保険への加入が義務付けられていますので、保険適用範囲を確認し、不足の部分を日本で加入してから渡航してください。クレジットカード付帯の保険では、補償が不十分なことが多いので、別途、海外旅行保険に加入することを強く推奨します。

なお、交換留学を含む国際教育交流課が企画・実施するすべての海外派遣プログラムでは、治療・救援費用が無制限の日本の海外旅行保険への加入を義務付けています。 留学先国・大学が現地健康保険等の加入を義務付けている場合もありますが、補償内容の重複有無に関わらず、指示された保険に加入の上、日本の海外旅行保険にも加入してください。

5. 航空券

1年間帰国する予定のない人は、帰国日の変更が可能なオープンチケットを利用できます。セメスター開始日より少し早めに渡航し、滞在先や学校周辺の様子を把握するなど、現地の生活に慣れることも大切です。

6. 荷物

出発当日の荷物は必要最小限にし、動きやすい服装で出発しましょう。当座必要な身の回り品は携行し、それ以外は別送か現地調達が賢明でしょう。荷物は郵便局や運送会社から船便や航空便で送ることができます。

7. 外貨・クレジットカード・送金

当座の生活に必要な金額を、現地通貨の現金でいくらか用意しておくと良いでしょう。クレジットカードが利用できる国であっても、日本から携行したカードが使えない場合に備えることが大切です。留学が数ヶ月以上に渡る場合は、現地で銀行口座を開設し、日本から送金してもらうのも安全な方法のひとつです。

8. 健康面の準備

持病のある人や健康上心配のある人は、出発前にかかりつけの医師に相談しましょう。アレルギーや常備薬等について、事前にアドバイスを受けておく必要があります。医師の処方箋がないと薬を買えない国もあります。自分がこれまでに受けた予防接種等についても把握しておき、関連の英単語・現地語をあらかじめ調べておきましょう。

歯の治療は、原則として海外旅行保険の対象外であることが多く、国による治療技術にもばらつきがありますので、出発前に治療を済ませておきましょう。

9. 国別安全情報・防犯対策の確認

外務省海外安全ホームページで、渡航先の安全情報や防犯対策を確認しましょう。この情報はあなたの身の安全を守るために重要な情報であり、随時更新されるものですので、必ず出発直前にも行ってください。

トラブル例

-外務省海外安全ホームページ「海外安全虎のマキオ君からのお知らせ」より-

  • ソフトクリーム・ペンキ・ケチャップ・マスタードなどを服につけられ、恐縮して拭き取ってくれたが、後で気が付くとポケットから財布がすられていた。
  • 偽警官に路上で旅券・持ち物検査を受け、高額紙幣を抜き取られた。
  • クレジットカードで購入する際、金額を確かめずにサインし、控えを受け取らず帰国してしまった。日本に帰ってから、一桁多い金額の請求書が送られてきた。
  • 通りや乗り物の中で数人に囲まれ、人目が少なくなったスキを狙って、旅券や貴重品などを奪われた。(昼夜・場所を問わず襲われることもある。)
  • 片言の日本語で話しかけられ、安心した頃に、自宅にお茶・食事に誘い、金持ちを相手にトランプ賭博で稼ごうと誘われた。始めは大金を稼いだが一挙に大きく負け、カード等で負け金を支払うよう強要された。