留学のための語学試験

留学の目的が定まり、留学先にも目処がつけば、その次に大事なことは語学の勉強です。国や留学方法が異なっても、一般的に留学には最低限の語学力が求められることが多いです。語学留学が目的であっても、基礎的な構文や単語すら知らない人は授業についていくのが困難だからです。

語学学習は決して簡単ではなく、不断の勉強が必要です。留学を考えたその日から、地道な努力を始めましょう。そしてその成果は必ず上がることを確信してください。

英語圏の語学試験

ここでは代表的な例である英語圏のTOEFLとIELTSについて説明をします。

TOEFL - Test of English as a Foreign Language

TOEFLとは、英語を母国語としない人々の英語力を測る試験です。米国の非営利教育団体The College BoardおよびThe Graduate Record Examinations Boardの委託で、米国・カナダの大学に留学を希望する外国人学生が、大学での授業についていける英語力を有しているかを評価するため、1964年に米国非営利教育団体であるEducational Testing Services(ETS)が開発した試験です。

初期の紙ベースのテスト(PBT=Paper Based Test)に代わり、2000年からコンピューターベースのテスト(CBT=Computer Based Test)が行われていましたが、2006年で日本国内でのCBTが、2007年にはPBTが終了し、現在ではiBT(Internet Based Test)が主流です。

TOEFL iBTのテストは、Reading/Listening/Speaking/Writingのセクションに分かれ、テスト所要時間は4~4.5時間です。

CIEE日本代表部(外部リンク)

IELTS - The International English Language Testing System

IELTSは、英国、オーストラリア、ニュージーランド、北米の大学で受け入れられているテストで、試験を受けてから約2週間で結果通知が受けられます。

IELTSのタイプは、リーディングとライティングに関してはアカデミック(大学)、あるいはジェネラル・トレーニング(一般)のいずれかのモジュールを選ぶことができます。通常、英国等の高等教育機関で勉強することを計画しているなら「アカデミック」となります。詳しいことは出願先に確かめてください。

テスト結果にはバンドスコア(成績)が記載され、総合力のほかにListening/Reading/Writing/Speaking各分野の能力がそれぞれ1.0から9.0のレンジで表示されます。1.0は全くの初心者に、9.0は英語を完全に理解した上で適正、正確、流暢に使用することができるエキスパートに、それぞれ対応しています。イギリスの大学に入学するために必要な平均スコアは6.5程度です。

TOEFL iBTとIELTSのスコアはどの程度が必要か

英語圏の大学は、TOEFL/IELTSの必要スコアを明記しています。多くの大学の学部では留学生に対し、TOEFL iBT80またはIELTS6.0以上を要件に設けています。競争率の高い大学では、それよりも高いTOEFL iBT100以上またはIELTS7.0以上が要求される場合があります。

大学院では、通常学部以上に高いスコアを求められると考えた方が良いでしょう。また、大学院では専攻によってTOEFLの必要スコアのばらつきが大きいので、詳細は留学先の大学院の研究科に問い合わせてください。

TOEFL iBT80もIELTS6.0も決して低いスコアではありません。このスコアを取るためには、日本人学生には厳しい勉強が必要です。いずれにしても、TOEFL iBTまたはIELTSで高いスコアを得ることが、英語圏での留学の重要なポイントとなりますので、早くから受験準備をすることが必要です。

なお、英語での交換留学を希望する場合は、TOEFL iBT68またはIELTS5.5以上があれば学内選考には応募可能ですが、協定校出願時までに協定校指定の語学要件を満たしている必要があります。

TOEFL iBTとIELTSのスコアを上げるための勉強法

1.聞く力を上げよう

スコアを上げるためには、読む、聞く、書く、話すがバランスよくできることが大事です。京大生は読み書きについては、入試対策でそこそこ勉強をしてきていると思います。しかし、聞き取り能力については、多くの日本人がそうであるように、難しい人も多いでしょう。

そこで、英語を徹底的に聞くことが大事になります。テレビ・ラジオのNHK英会話教室などに加えて、YouTubeやPodcastなどインターネットで聞ける英語放送を常時聞くことは効果的です。例えば、BBCのWorld Serviceは一日中ニュースを流しています。英国英語と米国英語の違いはありますが、米国発の情報など、米国人の英語もよく流れています。BBCのWorld Serviceのサイトは以下からアクセスできます。

BBC World Service(外部リンク)

2.生きた英語を読もう

TOEFL iBTとIELTSでは英語の文法や、慣用的な用語法が試されることがあります。限られた時間内に、相当数の問題を解かねばならないので、ゆっくり考えている暇はありません。普段から英語の文章を多く読んでおく必要があります。
また、TOEFL iBTとIELTSでは様々な領域の言葉が出てきますので、留学生ラウンジ「きずな」に置いてある英字新聞やインターネットなどで、興味のある記事を英語で読んでおくことで、様々な言葉の使い方がわかってくるはずです。

3.作文力を上げよう

TOEFL iBTとIELTSではWritingも重要です。あるテーマについて限られた時間内に、英語も文章構成もしっかりした文章を書くことは決して容易なことではありません。普段から英語で書くことに慣れるために、英作文の例文を身近な体験に書き換えてみたり、英語で短い日記をつけてみるのもいいでしょう。

4. 会話力を鍛えよう

TOEFL iBTとIELTSで最も苦戦するのがSpeakingであり、練習方法に悩んでいる京大生も多いです。

そこでおすすめしたいのが、国際高等教育院付属国際学術言語教育センター(i-ARRC)が提供する語学学習支援と、留学生ラウンジ「きずな」が提供する言語交換掲示板です。前者は語学学習ソフトの提供や会話クラブの実施等があり、後者は京大に来ている留学生とペアになり、互いの母国語を教え合う機会を提供しています。どちらも無料で利用可能ですので、ぜひこの機会を使って会話力アップに繋げて下さい。

また、隙間時間を使って、民間のオンライン英会話教室を利用するのも有効な方法の一つです。

5.コンピューターを使った試験に慣れておこう

TOEFL iBTとIELTS(ペーパーも選択可)はコンピューターで行われます。試験の当日は使用方法等について説明がありますが、特に初めての場合は緊張しますので、ぜひ事前に模擬練習をしておくことをお勧めします。模擬練習のCDはTOEFLの参考書に付属していることも多く、自分のパソコンで試すことができます。留学生ラウンジ「きずな」でも問題集を借りることができますので、ぜひ利用しましょう。

TOEFL iBTとIETLS受験に際してのヒント

TOEFL iBTの申し込みは、インターネット・電話・郵送で行うことができ、支払方法はクレジットカード決済のみです。インターネット申し込みの場合のみPayPal決済も選べます。

IELTSはインターネット申し込みのみとなり、支払い方法はクレジットカード決済・コンビニ払い・ゆうちょATM払いが選べます。

申し込み時・受験時には、パスポートなど身分証明書が必要になりますので、当該サイトで必要書類を確認し、早めに準備しておいてください。

その他の語学試験

英語以外の言語についても、留学に最低限必要な語学力というものがあり、公的な語学試験の証明が求められる場合があります。

ドイツ語(ゲーテ・インスティトゥートのドイツ語検定 ZD、GDS)

ドイツ語教育と国際文化交流の振興を目的とするゲーテ・インスティトゥートは、ドイツ連邦共和国の公益団体で、76カ国に125の支部を置き、本部はミュンヘンとボンにあります。

日本では、東京、大阪、京都にあり、ゲーテ・インスティトゥート・ヴィラ鴨川は、日本とドイツの交流をより深いものにするために、文化的、社会的、科学的、またその他いろいろなテーマのもとに、多彩な文化的催し物を企画・後援しています。

東京と関西で、受験できるレベルなどが異なるので、詳細はゲーテ・インスティトゥートのホームページで確認してください。
Goethe-Institut 京都(外部リンク)
Goethe-Institut ドイツ(外部リンク)

ZD ドイツ語基礎統一試験

この試験の合格証は、ドイツ・スイス・オーストリアで話されている標準ドイツ語の基礎能力を証明するものです。ゲーテ・インスティトゥートのドイツ語講座を基準とした場合、およそ400時限から500時限程度の授業を履修した人のレベルです。ZD合格のためには、約2000語の基礎的な語彙と基本的な文法を習得していることが必要で、日常生活場面で適切な意思疎通がはかれる程度の会話力および文章理解力・文章表現力が求められます。

GOETHE-ZERTIFIKAT C2: GDS

Goethe-Zertifikat C2  (GDS) はドイツ語を母国語としない18歳以上の成人を対象とした資格です。GDSに合格するとドイツの大学入学の際の語学試験(DSH)が免除され、世界中の企業で、ドイツ語をほぼ母国語のように使えることを証明するものとして、高く評価されています。また、GDSの合格証を初級ドイツ語教師の資格として認める国もあります。

フランス語(フランス文部省認定フランス語資格試験(DELF、DALF))

DELF(A1、A2、B1、B2)、DALF(C1、C2)という6つのディプロム(証書)が発行されます。DALF C1を取得すると、フランスの大学の学部留学の際に語学評価試験が免除されます。また、フランス政府給費留学試験の一部が免除されます。

試験会場や日程などの詳細は、アンスティチュ・フランセ関西(旧関西日仏学館)のホームページで確認してください。
アンスティチュ・フランセ関西(旧関西日仏学館)(外部リンク)