原 潔

原 潔
原監事の写真

国立大学の法人化に伴って新設された監事として就任しました。国立大学の法人化は、大学の自主性と自律性を拡げるために行われた大学改革の一つですが、監事制度は、そのために設置された国立大学法人における機能の一つです。国立大学法人における監事の役割と京都大学に着任して感じたことを紹介したいと思います。

国立大学法人京都大学監事監査規定にあるように、監査は、「本学の業務について適正かつ効率的な運営に資することを目的に、公平普遍の立場で本学が掲げる理念・目的が達成できるように実施すること」と定められています。ここで大学の業務とは、教育、研究活動と共に、それを支援する活動など大学運営全般にわたる活動であり、監査は、こうした大学活動を国民や社会に対して説明責任(アカウンタビリティ)を果たす機能の一つとしての役割を持っています。適法性や効率性と共に、大学が掲げる理念や目標・計画からみて業務、会計について総長に監査報告の提出や意見を述べる役割があります。最近、大きな企業でも情報公開を怠ったためにその存立さえも問われかねない事例を目の当たりにしています。大学と企業の社会における役割は異なっても、組織運営の点では他山の石とするべきだと思います。

京都大学に着任してまず感じたことは、本学が掲げる「地球社会の調和ある共存に貢献する」という基本理念が、とても素敵だということです。この地球が陸、海、空から成り立ち、そこを舞台にした人間活動の矛盾や争いによって舞台である地球そのものが脅かされつつある時代です。21世紀の国際的拠点大学として発展していく目標として、とてもふさわしいと思います。現在でもすべての教育・研究活動は、この理念に直接・間接に関係しているといえますが、できればより一層明示的にする方がいいのではないでしょうか。例えば教育では「地球社会とは」「調和ある共存とは」といった総合的な教育プログラムや研究についてもこうした理念を達成するために必要な研究テーマを重点支援するといった方策が考えられます。これらを京都大学における伝統の一つであるフィールド教育研究として地球規模で実践できれば京都大学の特色を一層創出できるのではと思います。少し夢物語になりますが、できれば4番目のキャンパスとして研究研修船を持ち、「地球社会講座」を開設しつつ世界一周航海をするとか…。神戸商船大学で長年、海と船に関わってきた者としてこんな夢を抱きつつ監事職を努めたいと思います。