監事ノート(3)(2005年4月18日)

監事ノート(3)(2005年4月18日)

原 潔

監事業務も2年目を迎えました。国立大学の法人化に伴って新設された監事の役割をどのように具体化していくかが初年度の課題でしたが、平成16年度の監事監査計画の内、昨年12月から1月にかけて実施した臨時監査については別添のように報告書に取りまとめ総長等に報告しました。

臨時監査をもとにして監事としての意見は報告書にありますように(1)教育、学生に対する支援体制(2)業務運営の改善・効率化(3)労働安全衛生管理体制の整備の3業務分野の42項目について延べ21部局等を対象に実施しました。これらの業務分野は、いずれも全学的な課題として、国立大学法人京都大学中期目標、中期計画及び年度計画に記載されている項目であり、各担当理事の下で業務の実施、改善・改革が進行しているところです。しかしながら、実地に業務を監査しますと当然のことながら進捗の程度に違いがあり、また新たな課題も生じています。それらの結果を基に、(1)学生の視点に立った学生支援業務の充実・強化の必要性、(2)本部機能の見直しと部局事務機能の強化の重要性及び(3)実効性のある労働安全衛生管理の実施の緊急性についてそれぞれ具体的な改善策を意見として提起しています。提起しました意見は、窓口業務の対応改善のように、職員のマインドを向上させることによって対応できると思われるものから事務組織の再編のように、抜本的な対策を必要とする課題もあります。

幸い京都大学では法人化前に、法人化後に改革するべき基本的な方向と課題について具体的な提言がなされており、その基本的方向に沿いつつ、課題を解決していくことが求められています。その途上で今回の監事監査(臨時監査)に基づく意見が大学業務の改善・改革に役立つことを強く願っています。現在、作成中の平成17年度の監事監査計画の中で監査結果のフォローアップを実施する予定であります。

なお平成16年度の監事監査業務は、定期監査の一部を実施しつつ、3月末の決算が終了してから会計監査等を実施しますので、その最終報告は6月になります。