経済学部 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

京都大学経済学部では、ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するため、経済経営学科の一学科の下で、教養教育と専門教育の履修を通じて、柔軟な思考力と創造性を修得させるという教育方針を掲げています。とりわけ、少人数教育である演習を通じ、対話を根幹とした自学自習の姿勢を重視しています。

このような方針に従って、京都大学経済学部学生が履修すべきカリキュラムを、以下の通りに定めます。

  • 主に1・2回生時に、人間・社会・文化に関する幅広い理解とともに人間社会への倫理性と社会的正義に対する責任感を涵養する人文・社会科学、自然の成り立ちを理解し合理的な思考を身につける自然科学、学部科目の方法的基礎を提供する数学・データ科学科目、異文化との交流のための複数の語学力を養う語学科目――これらからなる「全学共通科目」を履修します。
  • 1回生前期に、高校教育から大学教育へ円滑に移行できるように、「入門演習」を履修します。そこでは、アカデミック・ポートフォリオの作り方や基本的なアカデミック・スキル、研究倫理を学習します。
  • 1回生時に、経済学・経営学の入門知識を広く修得できるように、「入門科目」を履修します。そこでは、標準的な入門書を使って、経済学・経営学の初歩を体系立てて学習します。
  • 2回生時に、経済学・経営学の専門基礎知識を広く修得できるように、「専門基礎科目」を履修します。そこでは、標準的な教科書を用いるなど、当該分野を専門としない学生も経済学・経営学の専門基礎を体系立てて学習します。
  • 入門科目・専門基礎科目については「選択必修制度」を定めています。広い分野の科目を体系立てて学修するための基礎を修得できるように、A群からD群までの4群の中から、それぞれ所定の単位以上を履修します。
  • 入門科目・専門基礎科目を修めた2回生以上の学生は、より発展的な内容を修得できるように、「専門科目」を履修します。これらでは、標準的な教科書にとどまらず、専門書・論文などを教材に用いて専門知識を修得します。専門科目もA群からD群までの4群に分類され、各分野において専門性を深めることができるとともに、これらの複数群の科目を、学生自身の学問的関心やキャリア設計にしたがって系統的に組み合わせることによって、幅のある専門性を身につけることができます。
  • 主に3回生以上の学生が社会人として有益な知識を修得できるように、「特殊講義(大学院との共通科目や社会人講師による講義)」を履修します。
  • 3回生以上の学生は、年次ごとに「演習」を履修します。演習では、各教員から特定のテーマで指導を受け、学生自身の自学自習に基づく報告発表と学生相互の自由な討論を通じ、柔軟な思考力と創造性を身につけます。演習参加者は、こうした演習活動の成果を、卒業年次に「卒業論文」として提出することができます。
  • その他、多様な視点を得る機会として、「グローバル科目」「法学部提供科目」「他学部科目」、国内の他大学科目、交換留学制度などにもとづく外国の大学での科目を履修することも認めています。

京都大学経済学部では、学生が上記カリキュラムを履修していく上で、1開講期に履修科目として登録することができる単位数の上限を定めています。そして、全学共通科目と学部科目のコースツリー(科目構成)、および4つの科目群の入門科目・専門基礎科目・専門科目を中心とする履修モデルを用意し、学生の系統的な学修とキャリア設計を促しています。

また、特に優秀な卒業論文を執筆した学生には、優秀卒業論文賞を授与することで、専門知識の修得とその創造的な応用能力の向上を図っています。さらに、学業成績が優秀で、かつ、大学院進学を希望する学生には、4回生時より大学院の授業を履修させ、早期に研究者ないし高度専門人材として自立できるように配慮しています。なお、各科目の学修成果の評価方法は、シラバスにおいて科目ごとに明示されています。