京都大学入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

学士課程

京都大学は、日本の文化、学術が育まれてきた京都の地に創設された国立の総合大学として、社会の各方面で活躍する人材を数多く養成してきました。創立から1世紀以上を経た21世紀の今日も、建学以来の「自由の学風」と学術の伝統を大切にしながら、教育、研究活動をおこなっています。

京都大学は、教育に関する基本理念として「対話を根幹とした自学自習」を掲げています。京都大学の目指す教育は、学生が教員から高度の知識や技術を習得しつつ、同時に周囲の多くの人々とともに研鑽を積みながら、主体的に学問を深めることができるように教え育てることです。なぜなら、自らの努力で得た知見こそが、次の学術展開につながる大きな力となるからです。このため、京都大学は、学生諸君に、大学に集う教職員、学生、留学生など多くの人々との交流を通じて、自ら学び、自ら幅広く課題を探求し、解決への道を切り拓く能力を養うことを期待するとともに、その努力を強く支援します。このような方針のもと、優れた学知を継承し創造的な精神を養い育てる教育を実践するため、自ら積極的に取り組む主体性をもった人を求めています。

京都大学は、その高度で独創的な研究により世界によく知られています。そうした研究は共通して、多様な世界観・自然観・人間観に基づき、自由な発想から生まれたものであると同時に、学問の基礎を大切にする研究、ないし基礎そのものを極める研究であります。優れた研究は必ず確固たる基礎的学識の上に成り立っています。

京都大学が入学を希望する者に求めるものは、以下に掲げる基礎的な学力です。

  1. 高等学校の教育課程の教科・科目の修得により培われる分析力と俯瞰力
  2. 高等学校の教育課程の教科・科目で修得した内容を活用する力
  3. 外国語運用能力を含むコミュニケーションに関する力

このような基礎的な学力があってはじめて、入学者は、京都大学が理念として掲げる「自学自習」の教育を通じ、自らの自由な発想を生かしたより高度な学びへ進むことが可能となります。

京都大学は、本学の学風と理念を理解して、意欲と主体性をもって勉学に励むことのできる人を国内外から広く受け入れます。
受入れにおいては、各学部の理念と教育目的に応じて、その必要とするところにしたがい、入学者を選抜します。一般選抜では、教科・科目等を定めて、大学入学共通テストと個別学力検査の結果を用いて基礎学力を評価します。特色入試では、書類審査と各学部が定める方法により、高等学校での学修における行動や成果、個々の学部・学科の教育を受けるにふさわしい能力と志を評価します。

大学院課程

京都大学は、創立以来の「自由の学風」のもと、世界最高水準の研究を推進し、優れた研究者、ならびに高度専門職業人の養成に努めてきました。大学院の各研究科は、このような学風と学術の伝統を踏まえて、さらに努力を重ね、世界に誇る独創的な学術研究の推進と、社会の各方面で指導的な役割を果たす人材の養成に取り組みたいと考えています。そのために、日本国内はもとより世界各地から、優れた資質を有し学問に対する意欲にあふれた人を広く受け入れたいと願っています。

大学院の各研究科では、独自に教育と研究の理念・目的を定めて、それぞれの分野で積極的な活動をおこなっています。その高度で独創的な研究の成果は、わが国だけでなく国際的にも注目されています。そうした研究は共通して、京都大学らしい多様な世界観・自然観・人間観に基づく自由な研究であると同時に、学問の基礎を大切にする研究、ないし基礎そのものを極める研究であります。京都大学は、このような大学の学風や伝統を理解し、自ら課題を設定して探求するための充分な基礎学力を備えており、専門分野で積極的な研究をおこなう意欲をもった人の入学を期待しています。

専門職大学院課程

京都大学に設置された専門職大学院は、本学独自の学風と伝統を踏まえながらも、専門職大学院が目的とする、高度で専門的な知識・能力を備えた専門職業人の養成を使命として、積極的に教育と研究を進めています。専門職大学院は、それぞれの理念や教育方針のもとで、独自のカリキュラムを整え、理論と実務をつなぐ実践的な教育をおこなっており、その入学者選抜にあたっては、優れた資質を有する人を幅広く受け入れたいと願っています。学士課程の卒業生だけでなく、すでに専門職を経験しさらに高い専門的能力を得たいと願う社会人も、積極的に受け入れたいと考えています。