平成30年10月29日(月曜日)開催

議事

  1. 国立大学法人京都大学の組織に関する規程の一部改正について
  2. 総長選考会議委員の選出について
  3. その他

議事録

出席者:

山極総長(議長)

秋山委員、阿曽沼委員、岩永委員、大嶋委員、加藤委員、川添委員、川端委員、北野委員、小長谷委員、佐藤(直)委員、杉山委員、竹中委員、中村委員、西脇委員、増田委員、湊委員、森田委員、鷲田委員

欠席者:

稲葉委員、門川委員、小島委員、榊委員、佐藤(勝)委員

  • 平成30年度第1回経営協議会及び書面審議の議事録(案)について、確認のうえ、原案どおり承認された。

議事

  1. 国立大学法人京都大学の組織に関する規程の一部改正について
    ヒト生物学高等研究拠点を高等研究院の研究拠点として置くことに伴い、同拠点に関し必要な事項を定めるため、所要の改正を行う旨説明があり、審議の結果、了承された。
  2. 総長選考会議委員の選出について
    経営協議会学外委員のうちから選出する総長選考会議委員について説明があり、審議の結果、了承された。

報告

  1. 平成29年度に係る業務の実績に関する評価結果(原案)の意見申立てについて
    平成29事業年度に係る業務の実績に関する評価結果(原案)に対する意見申立について説明があった。
    委員による主な意見は次のとおり(○: 質問・意見 ●: 説明・回答)
    ○ 評価は、大学の経営にどう影響するか。
    ● 単年度評価、6年間積み上げた評価、各部局の教育研究の活動状況が評価された後、次の中期目標期間の運営費交付金の配分に反映される。
    本学は、1期、2期とも高い評価があったため、翌期には毎年2億円以上プラスで配分されている。
  2. 世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)について
    世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)に採択された「構成的ヒト生物学研究拠点」について報告があった。
    併せて、世界トップレベル研究拠点プログラム委員会からの意見を踏まえ、事業開始に当たり、拠点名称を「ヒト生物学高等研究拠点」に変更した旨、報告があった。
  3. オープンイノベーション機構の整備事業等について
    文部科学省「オープンイノベーション機構の整備事業」の採択等について報告があった。
  4. 2019年度概算要求について
    文部科学省から財務省へ提出された2019年度概算要求の概要について説明があった。
    委員による主な意見は次のとおり(○: 質問・意見 ●: 説明・回答)
    ○ 教育研究の基盤設備の整備というのは、老朽施設等の改修を指すのか。そうであれば、その予算が前年度ゼロ、今年度新規というのは信じ難いがどういうことか説明いただきたい。
    ● まず、ここでいう設備とは、建物(施設)ではなく、実験機器等のことを指している。設備については、ここ数年、当初予算ではゼロという状況が続いているが、概算要求したものの中から一部前倒しで前年度の補正予算で措置される年度もあったため、国からの支援が全くのゼロという訳ではないが昨年度はほとんどなかった。補正予算(補助金)で措置された場合、運営費交付金の要求上は「新規」という扱いになる。
    ● もともと運営費交付金の中に教育研究の基盤設備を支援する枠組みがあったが、近年は運営費交付金の総額が増えない中、大学改革に関する予算のウェートが増えているため、継続的な設備更新や新規設備導入に対する予算は非常に厳しい状況となっている。
    ○ 最新、最適な設備がなければ、優秀な研究者の確保、産学連携の誘致は困難である。設備投資は将来への投資であり、これをやらない限り将来に良い結果を出すことは難しい。このことは今後の課題として具体的な方策を考えていかなければならないという認識を持った。
  5. 金銭信託による資金運用の開始について
    平成28年の国立大学法人法改正を受け、より収益性の高い運用を実施するため、金銭信託の受託金融機関の選定を行い、資金運用を開始する旨報告があった。
    委員による主な意見は次のとおり(○: 質問・意見 ●: 説明・回答)
    ○ 資金管理計画にある情報公開について、内容やタイミング等を説明いただきたい。
    ● 資金運用による、実際の収益の額を大学のホームページで年1回以上公表する。
    ○ この手の運用をする場合、一時的に含み損失になることを理解しておくべきである。また、ガバナンスの観点から、評価損益の推移について、年に1回程度経営協議会で報告する方がよい。
    ● 経営協議会において報告し、ご意見を伺うようにしたい。
  6. その他
    • 前回の経営協議会において質問があった、任期付教員数と任期なし教員数の区分及び推移について説明があった。

意見交換

国立大学に関する最近の動向について報告があり、意見交換が行われた。
委員による主な意見は次のとおり(○: 意見)

○ 運営費交付金が減らされて大変だというのはそのとおりだが、科学研究費全体では増えている。部分部分で問題点を政府に指摘しても逃げられるので、科学研究費予算全体に対する考えを、研究教育の観点から大学全体として示す必要がある。
○ 大学として、財務諸表の整理や自前の評価を別途研究する工夫があった方がよい。
○ 業績評価については、収益でカウントする民間企業ですら難しい。ましてや、業績の比較ができない教育研究について、単年度で業績評価できると考えること自体を疑問に思う。
○ 経団連の4月一括採用から通年採用への移行の方針については、現実に合わせただけという印象だが、これからは1、2、3回生から早々に勧誘が入るようになると思われる。
○ 1回生、2回生で就職が決まるとなると、いろいろな介入が相次いで、大学の勉強が身に入らないおそれがある。今後、経済界、産業界とも話し合っていく必要がある。