災害と社会課題に対処するレジリエンスアプローチを提唱 -持続可能な社会を創造する道しるべとして-

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清水美香 学際融合教育研究推進センター特定准教授は、自然・社会環境変化におけるレジリエンス研究の成果として、災害や複雑な社会課題に対処し、持続可能な社会を創造するための「レジリエンスアプローチ」を提唱しました。

レジリエンスとは、「大きな変化や逆境にあってもしなやかに回復する力、変化する力、発展する力」を指し、より専門的には、「人、森、都市といったシステムが変化に対応し、発展しつづける力(または器量)」を意味しています。

本研究は、従来のように生態・社会・人間の個別のレジリエンスではなく、自然・社会・人間システムに共通するレジリエンスの構造を明示しました。さらに、その機能を「リンケージ(繋がり)」、「プロセス」、「時間」、「スケール」の4つの位相に分類してレジリエンスが機能する条件を明らかにし、レジリエンスアプローチとして集約しました。

本アプローチは、複眼的・多元的な思考に基づいてレジリエンスを組み立てるものです。複雑化する自然災害や、持続可能な社会を実現するための複合課題群に対処するための、問題解決型の実践的ツールとして活用されることが期待されます。

本研究成果は、2019年2月5日に、「Nexus of Resilience and Public Policy in a Modern Risk Society」として出版されました。

図:レジリエンス組み⽴てのための森と⽊の視点マトリックス

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1007/978-981-10-7362-5

Mika Shimizu, Allen L. Clark (2019). Nexus of Resilience and Public Policy in a Modern Risk Society. Springer.