マングローブによる津波・波浪の軽減効果を定量化―自然を活かした沿岸防災対策―

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 マングローブ林は波のエネルギーを弱めることで効果的な沿岸防災機能を持ち、沿岸域における津波や高波に対する減災効果や気候変動に対応する適応策の有力なツールとして注目されています。マングローブは支柱根と呼ばれる複雑な根の構造を持つ特徴がありますが、その複雑な形状を考慮した波の減衰の効果の定量化が困難な課題とされていました。

 森信人 防災研究所教授、Yu-Lin Tsai 同特任助教(現:台湾国立陽明交通大学(National Yang Ming Chiao Tung University)助教)、Che-Wei Chang 同特定助教(現:米国ロードアイランド大学(University of Rhode Island)助教)の研究グループは、代表的なマングローブ種のRhizophora種を対象に、根の形状を正確に考慮し、水深や波の高さによるマングローブによる波の減衰を考慮可能な数値モデルを開発し、マングローブによる波の減衰を評価しました。波の減衰は垂直方向の根の形状と水深に大きく変化し、また減衰量の推定には20-50%のばらつきが生じることを明らかにしました。

 本研究成果は、2026年3月5日に、国際学術誌「Journal of Geophysical Research-Oceans」にオンライン掲載されました。

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マングローブ減災効果の概念図

研究者のコメント

「マングローブ林により波のエネルギーを弱め自然を生かした沿岸防災を進めるNature-based Solutions(自然を活用した解決策)についての研究は、世界的に進められつつあるホットな話題で、私たちは2017年からこの研究を進めてきました。今回の成果は、これまでの現地の樹形調査、水槽実験結果を組み合わせて、数値モデル開発と自然が持つ防災機能の揺らぎを評価するものです。マングローブの植林等へ活用されるように、今後も研究を展開していきたいと思います。」

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