生活保護受給者の糖尿病有病実態解明 -200万人のレセプトデータ解析-

ターゲット
公開日

 仙石多美 医学研究科研究員、高橋由光 同准教授、中山健夫 同教授、石崎達郎 東京都健康長寿医療センター研究所研究部長らの研究グループは、全国の生活保護受給者200万人のレセプトデータを用いて生活保護受給者の糖尿病の年齢別、性別、地域別の実態について明らかにしました。

 厚生労働省は、データに基づいた、生活保護受給者に対する生活習慣病重症化予防のための健康管理支援を推進していますが、全国規模での生活習慣病の罹患状態はわかっていませんでした。そこで本研究グループは、医療扶助実態調査とNDB(匿名レセプト情報・匿名特定健診等情報データベース)の解析を行いました。その結果、生活保護受給者の2型糖尿病粗有病割合は7.7%であり、公的医療保険加入者に比べ全般的に高く、特に、40歳代、50歳代での有病割合が高いことがわかりました。また、地域的なばらつきもあり、糖尿病の重症化を防ぐためにも地域レベルで実態を把握する必要性が示唆されました。

 日本では、特定健診やレセプトのデータを健康増進や病気予防に活用する「データヘルス」という取組が進んでいます。本研究は、社会格差や健康格差の是正、データに基づいた政策を行うための一助になると考えられます。

 本研究成果は、2021年10月28日に、国際学術誌「Journal of Epidemiology and Community Health」に掲載されました。

本研究の概要図
図:本研究の概要図
書誌情報

【DOI】https://doi.org/10.1136/jech-2020-216158

Tami Sengoku, Tatsuro Ishizaki, Yoshihito Goto, Tomohide Iwao, Shosuke Ohtera, Michi Sakai, Genta Kato, Takeo Nakayama, Yoshimitsu Takahashi (2021). Prevalence of type 2 diabetes by age, sex and geographical area among two million public assistance recipients in Japan: a cross-sectional study using a nationally representative claims database. Journal of Epidemiology and Community Health.