坂口志文 名誉教授のノーベル生理学・医学賞が決定しました。（2025年10月6日）
湊長博 総長のコメント
このたび、本学名誉教授で、再生医科学研究所（現：医生物学研究所）教授および所長を務められた坂口志文先生が、ノーベル生理学・医学賞を受賞されましたことを、京都大学を代表してお祝い申し上げます。
受賞対象となった免疫システムの研究成果の中で、特に坂口先生は過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」という新しい細胞を発見されました。今後、自己免疫疾患やがんの治療、またアレルギーの予防などにますます応用されることが期待されています。
本学在職中を含め、自ら切り開かれてきた研究を最後まで貫かれ、最高の栄誉にまで至られた姿は、医学分野にかぎらず全ての若手研究者を奮い立たせるものであると思います。
改めまして、坂口先生の栄誉を心よりお慶び申し上げますとともに、ますますのご活躍を祈念いたします。
河本宏 医生物学研究所長のコメント
再生医科学研究所（現：医生物学研究所）で教授および所長を務められた坂口志文先生が、ノーベル生理学・医学賞を受賞されたことは大変に喜ばしく、所員一同大きな感銘を受けております。
坂口先生は、免疫学における最重要課題のひとつである「免疫寛容」の問題に取組み、「制御性T細胞による免疫寛容の仕組み」を、単独で解明しました。これは免疫学だけでなく生命科学全体でみても偉大な功績です。
さらに、この成果は自己免疫疾患やがんの治療にすでに広く応用され始めており、医学としての貢献も多大です。身近に研究の発展を見てきた者として、とても嬉しく思います。
一時期、逆風があった中でも強い信念をもって研究成果を積み上げられてきたことが、偉大な業績につながりました。
坂口先生の受賞が次世代の研究者を勇気づけ、これからも多くの優れた研究が生み出されることを期待しています。
