京都大学メールマガジン Vol.80

京都大学メールマガジン Vol.80

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京都大学メールマガジン vol.80

http://www.kyoto-u.ac.jp/

■[2013年2月22日号 目次] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

◆1. トピックス
◆2. 理事からのメッセージ【教育担当理事・副学長 淡路敏之】
◆3. 特集【白眉センター 特定助教 西出 俊】
◆4. ニュース
◆5. イベント情報
◆6. 研究情報
◆7. 京大の「実は!」(Vol.4 時計台の実は!~(1)時計塔内部編~)
◆8. 広報コラム

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◆1.トピックス 
大学文書館 企画展「戦後復興と京都大学」を開催中
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大学文書館では、3月31日(日曜日)まで、百周年時計台記念館1階歴史展示室において企画展「戦後復興と京都大学」を開催しています。
今回の企画展では、敗戦後の京都大学にスポットライトを当てました。今もよく使われる「復興」とは何でしょうか。当時の資料をひもとけば、この言葉をめぐってさまざまな思いが交錯していたことがわかります。
戦後の混乱の中から新たな一歩を踏み出そうとした京都大学の軌跡を、大学文書館所蔵の写真と資料から明らかにしています。多くの方々のご来場をお待ちしています。

・開催期間:開催中~3月31日(日曜日)
・開催時間:9時30分~17時00分(本企画展開催期間中、3月4日(月曜日)は休館)
・観覧料:無料

続きはこちらをご覧ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/130207_1.htm

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◆2.理事からのメッセージ 【教育担当理事・副学長 淡路敏之】
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「教育と入試の改善」

グローバル化・情報化の加速に伴い世界は急速に結びつきを深め、かつ複雑化が進行する時代にあっては、システムの全体を捉え、自分軸たりうる確かな世界観を確立して、人間・社会・自然が複雑に絡む人類社会の持続可能性の進展を担いうる人材の育成が重要であり、教育や入試の制度設計・整備・改善に引き続き取り組むよう、松本総長より2期目の教育担当理事・副学長を拝命しました。
グローバル社会では、国際常識としての教養力と優れた専門力を両軸とし、他分野を見渡せる俯瞰力、諸学を束ねる能力、異文化社会に耐えうる人間力・発信力を身につけることが肝要です。そのため、総合大学たる京都大学の特色を活かした多様かつ調和のとれた全人的教養・共通教育と専門教育のベストミックスたる学部学士課程教育を拡充することが求められていると言え、既にそのような試みがなされています。
具体的には、各学部のミッションに適合した4年一貫の学位プログラムの根幹となる教養・共通教育のカリキュラムが高等教育研究開発推進機構システム委員会において見直され、群の大括り化と順次性のある科目体系の整備が卒業要件とも関連してなされました。また、全学共通教育の企画、評価及び実施等を一元的に所掌する「国際高等教育院(仮称)」の設置が部局長会議及び教育研究評議会で認められ、平成25年4月1日に発足、次年度中に詳細設計を終えることになっています。
大学院教育改革の軸として社会から期待されている5年一貫の博士課程教育リーディングプログラムに関しましては、本学はこれまでに、オールラウンド型1件(国際社会を牽引するトップリーダーの養成を目指す「京都大学大学院思修館」)、複合領域型3件(生命健康分野:超高齢化社会における高度な医療システムのリーダー育成を目指す「充実した健康長寿社会を築く総合医療開発リーダー育成プログラム」、安全安心分野:国際社会の安全安心に関わるライジング・リーダーの養成を目指す「グローバル生存学大学院連携プログラム」、情報分野:諸学を結積して日本と世界の発展の処方箋をデザインできるリーダー養成を目指す「デザイン学大学院連携プログラム」)が採択され、広く産官学にわたり専門分野の枠を超えて活躍できるグローバル・リーダーの養成教育に取り組んでいるところです。
教育の国際化への対応に関しましては、その根幹となる学位制度について、大学院におけるダブルディグリーのガイドラインを策定するとともに、学部生の海外留学を促進すべく、留学先で取得した単位の認定について検討を開始、次年度中に制度整備を行う予定で進めています。なお、グローバル化に伴う英語実運用力の向上をはかるために、3・4年次で学ぶ専門を国際舞台で発揮できる英語運用力育成プログラムを本年度後期より高等教育研究開発推進機構で開始したところです。
文部科学省「大学改革実行プラン」の一丁目一番地とも言える入試と高大接続については、昨年度の大阪府教育委員会との協定に引き続き、近県の教育委員会と協定に向けた検討が進行中です。また、全国5か所で京都大学交流会を開催する等、高校教育現場との接続を一層強化しました。
入試改革につきましては、高等学校における幅広い学習との接続を強化し、受験者の志や各学部のアドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシ―、ディプロマ・ポリシーに則った入学試験を一層充実すべく、現行の個別学力試験に加えて、新機軸の特色入試を策定中です。また、入試改革、高大接続、入学後の教育の改善を一体的に推進すべく「入試改革検討本部」を新設しました。これらは、12の研究型総合大学からなる教育改革推進懇話会(GLU)における入試改革・高大接続WGの幹事校を本学が務めるなど、主要大学と情報交換を行いながら進めているところです。
グローバルに活躍できる高度な人材の育成は、いずれの国においても待ったなしの状況にあり、国籍を問わず優れた人材の獲得競争が激化する最中、国際標準のカリキュラム・成績評価・教育制度ならびに入試制度の一体的推進は喫緊の課題と言え、皆様のご理解とご協力を今後ともお願いする次第です。

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◆3.特集 【白眉センター 特定助教 西出 俊】
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「ロボット」:この言葉を聞いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか? 私は人間の姿形をし、人間のように考え・行動をする鉄腕アトムのようなロボットを思い浮かべます。人間型ロボットに関する研究は現在たくさん行われており、我々の生活に介入する日もそう遠くはないといえます。
人間型ロボットに関する研究を始めてから約10年たちますが、私が常に持ってきた疑問は「人間とは何か?」ということです。この漠然とした疑問に対し、私はロボットを人間の幼児とみなし、その成長過程をモデル化・解析することで構成論的な人間の理解を目指しています。特に人間の幼児の視覚機能の発達と行動獲得に興味があり、ロボット(幼児)と人間(親)とのやり取りによるロボットの知能発達に関する研究をしています。
現在、修士課程2年目の学生1名と1年目の学生2名と共に研究を進めています。研究対象として道具使用方法や絵描きなどをロボット自身の経験から覚えさせています。人間の脳に相当する人工神経回路モデルをロボットに実装し、経験によってモデルを発達させることでロボットは新しい動作を覚えます。この動作を解析することで人間の発達過程におけるモデルの位置づけと役割を議論します。このように私の研究は工学的にはロボットの制御、情報学的には脳モデルの構築、認知科学的には人間の発達過程理解という三分野の融合分野であるといえます。この中でも私は特に工学・情報学の側面から研究をしており、工学的な手法に基づく「人間」の理解を目指しているといえます。
白眉プロジェクトに採用されて以来、私の「人間」に関する考え方がより哲学的な方向に向いていきました。他の白眉研究者との議論を通じて気づいたことは、分野は異なっていても、「人間」を知るという究極的には共通の目標に向かって研究をしている人が多いということです。この目標に対するアプローチも分野によって異なり、議論する中で新しい発見が多々ありました。このような異分野連携は私が白眉プロジェクトに採用されて最もよかったことと感じており、今後も他分野の研究者と連携して研究を進めていきたいと思います。

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◆4.ニュース
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京都大学の最新のニュースを紹介します。

○総合博物館平成24年度特別展「ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム」を開催中
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総合博物館では、3月17日(日曜日)まで、平成24年度特別展「ウフィツィ・ヴァーチャル・ミュージアム」を開催しています。
芸術の都イタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館所蔵の傑作を最先端のデジタル技術によって再現しました。伝統と革新の融合、それはフィレンツェと京都の文化に共通の特徴でもあります。アートとテクノロジーの対話のひとつの未来形、そしてリベラル・アーツの真髄がここにあります。
今回の展覧会は、デジタル画像だからこそ見えてくる名画の意外な細部を心ゆくまで鑑賞し、最先端の科学技術によって新たに甦った人類の偉大なる遺産を味わっていただくとともに、過去と未来、アートとサイエンスとをつなぐ虹のかけ橋となることを期待しています。

続きはこちらをご覧ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news7/2012/130123_1.htm

▼その他のニュースはこちらからご覧いただけます。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja?type=monthly&;news=on

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◆5.イベント情報
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京都大学では、様々なジャンルのイベントを多数実施しています。

○第34回品川セミナー (2013年3月1日(金曜日)開催・要申込)
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京都大学には、学部や大学院のほかに、現在22の附置研究所と研究センターがあります。これらの研究所群が一体となって学問の最先端の様子を広く一般の方々にお届けし、その声を直接お聴きすることを目的として、東京・品川で連続セミナーを開催しています。
第34回目の今回は、人文科学研究所長 岩井茂樹教授による「18世紀日中間の貿易権紛争と「沈黙外交」」についてお話をいただきます。

詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news4/2012/130301_4.htm

▼他にも多くのイベントを予定しています。
詳しくはこちらからご覧いただけます。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja?type=calendar

▼また、広く一般の方にもご参加いただける公開講座、講演会、シンポジウム
などはこちらをご覧ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/education/open/open_course/index.htm

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◆6.研究情報
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京都大学の最新の研究成果5件を紹介します。

○ルテニウム酸化物における超伝導の一次相転移の発見-超伝導と磁場の未知の相互作用メカニズムの存在を示唆-
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/130215_2.htm

○X線自由電子レーザー(XFEL)を照射したタンパク質微結晶中の硫黄原子からの異常シグナルの検出に成功 -XFELによるタンパク質分子の構造決定に向けた第一歩-
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/130215_3.htm

○宇宙線陽子の生成源を特定-フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡による成果を「サイエンス」誌に発表-
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/130215_1.htm

○TALエフェクターヌクレアーゼ(TALEN)を用いた効率的な遺伝子改変ラットの作製技術
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/130213_1.htm

○野生のゴリラから未知のビフィズス菌を多数発見
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2012/130208_1.htm

▼そのほかにも多数の研究成果を発表しています。
詳しくはこちらからご覧いただけます。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja?type=monthly&c2=4

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◆7.コラム 京大の「実は!」Vol.4
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京都大学には、実は・・・こんなステキなスポットがある!
京都大学には、実は・・・こんな知られざる歴史がある!

など、京大の「実は!」な魅力を紹介します。

○Vol.4 「京都大学のシンボル「時計台の実は!~(1)時計塔内部編~」」

正門をくぐると真っ先に目に飛び込んでくる、京都大学のシンボル「時計台」。
百周年時計台記念館(以下、時計台)は、工学部建築学科初代教授 武田五一氏が設計し、1925(大正14)年に完成した京都大学のキャンパスを代表する建物です。その外観は格調高い風格を備え、歴史的にも貴重な存在となっています。完成以来、かつては法学部、経済学部の講義施設、近年は本部事務局として歩んできた時計台は、現在、学術の交流および社会との連携の場として、京都大学のシンボル的な存在となっています。ちなみに、広報・社会連携推進室も1階に事務室を構えています。
時計台の核ともいえる時計は、1925(大正14)年2月に誕生以来、今も現役で確かな時を刻み続けています。今回は、その歴史ある京都大学の「時計塔」の内部をクローズアップして紹介します。
時計台の時計を40数年間、修理・点検し続けてきた「時計台の主治医」、杉谷ムセンの杉谷鉄夫さんに、月に一度のメンテナンス(点検・修理)に同行させてもらいました。
メンテナンス用の入り口から続く、92段の急な階段を上ると、時計塔の心臓部にたどりつきます。高齢の杉谷さんにとってはここを上るだけでも、かなりの重労働です。

▼続きはこちらをご覧ください。
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/issue/mm/jitsuha/2012/130222.htm

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◆8.広報コラム
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今回、40数年間時計台を修理・点検してきた、杉谷さんのメンテナンス作業に同行し、滅多に見ることのできない作業現場を見学しながら、多くの話を伺いました。この貴重な経験をとおして、これまで当たり前のように見上げていた時計塔、耳にしていた鐘の音、夜になると照らされる文字盤の灯り、それら一つ一つを、京都大学の歩んできた歴史と重ねながら感じるようになりました。
今日も、京都大学にはいつもの鐘が鳴り響き、時計の針は正確に時を刻んでいます。京都大学に足を運ばれた際には、その影に、時計台と共に人生を歩んできた主治医の存在があることをほんの少しでも感じていただけたら嬉しく思います。

[渉外部広報・社会連携推進室]




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