このたび、京都大学は、フィリピン政府科学技術省(DOST)傘下の農林水産天然資源研究開発協議会(PCAARRD)および科学教育研究所(SEI)との奨学金プログラム「PhilDOST-Kyoto University Graduate Scholarship Program」を立ち上げました。
本奨学金プログラムは、フィリピンの農業・水産・天然資源分野における科学技術人材を育成し、持続可能な発展に資することを目的としており、奨学生は本学での授業料・入学料全額、生活費、渡航費のほか、研究出張費、卒業後の再着任研究資金などの支援を受けます。本プログラムは、分野の親和性が高く、フィリピンからの学生を複数名受け入れている農学研究科、生命科学研究科、地球環境学堂の賛同を得て発足しました。
2025年12月16日には本奨学金プログラムにかかる覚書の調印式を実施し、代表団として、Reynaldo Ebora PCAARRDエグゼクティブ・ディレクター、Fezoil Luz Decena 同チーフ・サイエンス・リサーチ・スペシャリスト、Albert G. Mariño SEI副所長、Jose V. Camacho, Jr. フィリピン大学ロスバニョス校学長の4名が本学を訪れました。
調印式に先立ち、代表団は地球環境学堂を訪問し、田中千尋 同学堂長および西前出 同副学堂長と面会しました。面会では、地球環境学堂の概要、特に農学系の研究の取り組みや入試制度に関する説明がなされ、本プログラムの実施に向けた意見交換が行われました。
調印式では、本学から湊長博 総長、國府寛司 理事・副学長、平島 崇男 大学院教育支援機構長、久野秀二 経済学研究科教授、また、オンラインで縄田 栄治 国際戦略本部特任教授・ASEAN拠点長が出席しました。懇談では、フィリピンからの留学生の受入れ状況や本プログラムへの期待についての見解を共有しました。湊総長からは、学位取得後における研究継続と交流の恒久化の重要性について言及があり、在学中から修了後まで一貫した支援を備える本プログラムを通して、フィリピンとのさらなる学術・研究交流の発展に向け連携を強化していくことが確認されました。