研究者情報
研究者名
花岡 朋哉
研究者名
後藤 龍太郎
研究者名
下村 通誉
研究者名
Takahiro Sugiyama
概要
花岡朋哉 京都大学理学研究科修士課程学生、後藤龍太郎 京都大学フィールド科学教育研究センター 助教、下村通誉 同教授、杉山高大 京都大学理学研究科博士後期課程学生(当時)、平林勲 東北大学技術職員、野村恵一 串本海中公園元館長、伊谷行 高知大学教授らの研究グループは、和歌山県南部の潮間帯において、ユムシ類の掘った巣穴や体表を住みかとして利用し、その粘液を餌として利用することが示唆されるテッポウエビ類の1種、ムラサキエビモドキを、新種記載されて以来約45年ぶりに再発見しました。本発見は、深海などと比較して調査が進んでいる潮間帯からの発見であったため、他の生物と比較しても珍しい発見となりました。
また、遺伝子解析によってムラサキエビモドキは、少なくともサビネミドリユムシ属とタテジマユムシ属に属する2属4種のユムシ類を幅広く利用することが明らかになりました。本研究の成果は、これまで見過ごされてきた、ムラサキエビモドキにおける共生生態を把握したという点で、保全生態学上重要な発見であるといえます。本研究の成果は、2026年8月5日に、国際学術誌「Zoological Science」に掲載されました。
研究者のコメント
「『ムラサキエビモドキの発見が45年ぶりとなった』ことや、『あるユムシ類を利用することが初めて明らかになった』ことを証明することは、一見すると簡単な作業のようにも見えますが、実際には過去の文献に書かれている内容が正しいかどうかを標本等の情報と照らし合わせていくといった、複雑な工程を要します。フィールドワークで得られた成果を過去の記録からどう位置付けていくかという、自然史研究の別の側面にも着目していただけますと幸いです。」(花岡朋哉)
「ユムシ類の共生系が育む潮間帯の生物多様性について、またひとつ明らかになりました。ムラサキエビモドキという和名なので、紫色の体色をつい想像してしまうかもしれないですが、実際は鮮やかな紅白色の種です。小さいエビがユムシ類の体表を駆け回る姿はとても可愛いです」(後藤龍太郎)