転居者の多い地域で「助け合いの規範」の力が弱まるのは、転居者が特別に規範を無視するからではなく、住民全体が規範を無視しがちになるからかもしれない

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研究者情報

概要

 滋賀大学・東京女子大学・京都大学・神戸大学の共同研究グループが、地域コミュニティにおける規範と転居に関する研究論文を、国際学術誌「Cities」にて発表しました。

発表のポイント

  • 西日本各地の約400コミュニティ、ならびに、滋賀県の約100コミュニティを対象とした2つの大規模郵送調査データを分析
  • 地域コミュニティにおける人々の「助け合いの規範」(協力規範)が人々の助け合いに実際につながっている程度と、人々の転居経験の関係を検討
  • 転居者率が高い地域では、そうでない地域に比べて、協力規範が助け合いにつながりにくい(規範が形骸化している)傾向があることを確認
  • ただし、転居者率が高い地域で転居者だけが特別に協力規範を無視しているわけではなく、非転居者も規範を無視しがちになっていることを発見
  • その背景として、転居者率が高い地域全体で、「他の人々は規範を守らないだろう」という不安が高まり、協力規範が形骸化している可能性を指摘

研究の意義

  • この研究は、「人の移動」が個人の行動だけでなく、地域全体の社会的な雰囲気(社会的文脈)そのものに影響を及ぼすことを示しています。
  • 転居がもたらす問題の解決には、転居者だけを対象にした介入より、転居者と非転居者の関係性や地域全体を対象とした介入が効果的である可能性を示唆しています。
画像
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研究の問い:地域の規範が形骸化するのはどちらの影響?
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1016/j.cities.2026.107187

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/301654

【書誌情報】
Kosuke Takemura, Shintaro Fukushima, Yukiko Uchida, Satoshi Asano, Noboru Okuda (2026). Residential mobility as a contextual factor undermining social norms for cooperation: Multilevel analyses of community data in Japan. Cities, 176, 107187.