ウキクサを食べる虫の“選り好み”―日本に生育する3種のウキクサに対するウキクサミズゾウムシの摂食嗜好性を解明―

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 ウキクサ植物は急速な増殖能力とタンパク質含量の高さから、家畜飼料やバイオ燃料の原料として注目されています。自然環境では複数種のウキクサが同所的に共存し、ウキクサミズゾウムシなどの草食動物による食害を受けますが、「どの種が好まれるのか」「植物の生理状態が摂食をどう左右するのか」は十分に解明されていませんでした。

 小山時隆 理学研究科准教授、磯田珠奈子 安田女子大学助教、髙橋伽乃 県立広島大学学部生(研究当時)、八木宏樹 北里大学助教、村中智明 龍谷大学講師(研究当時:名古屋大学助教)、金岡雅浩 県立広島大学教授らの共同研究グループは、日本産ウキクサミズゾウムシを用い、日本で見られる3種のウキクサ ―ウキクサ、ヒメウキクサ、アオウキクサ― に対する摂食嗜好性を評価しました。その結果、ウキクサミズゾウムシは ウキクサ > アオウキクサ > ヒメウキクサ の順に明確な選好を示すこと、また栄養欠乏というストレス条件によりアントシアニンを蓄積したウキクサでは食害が大幅に抑制されることが明らかになりました。

 本研究により、ウキクサ植物に対する草食動物の摂食嗜好性が種間の特性差と同一種内の生理状態(二次代謝産物の蓄積)の両方に強く依存することが示されました。これは、ウキクサ群集の維持機構の理解、ならびに食害に強いウキクサ植物の選抜・育種や屋外栽培技術の最適化への応用が期待される知見です。

 本研究成果は、2026年6月23日に、国際学術誌「Plant Species Biology」にオンライン掲載されました。

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ウキクサミズゾウムシの選択的食害。ウキクサミズゾウムシはウキクサ>アオウキクサ>ヒメウキクサの順で明確な摂食嗜好性を示す。また、ウキクサのうちアントシアニンを蓄積したフロンド(Ant+)では、非アントシアニン蓄積フロンド(Ant-)よりも有意に食害量が少なかった。ウキクサのスケールバーは5mm、ウキクサミズゾウムシのスケールバーは1mm。
研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1111/1442-1984.70065

【書誌情報】
Minako Isoda, Kano Takahashi, Hiroki Yagi, Tomoaki Muranaka, Tokitaka Oyama, Masahiro M. Kanaoka (2026). Selective Feeding of the Duckweed Weevil on Three Common Species of Duckweed in Japan. Plant Species Biology, 41, 4, e70065.