西日本にて海産等脚目甲殻類「ウミクワガタ」の5新種と1日本初記録種、1再発見種を発見

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 ウミクワガタは等脚目ウミクワガタ科に属する甲殻類で、日本近海には6属37種が知られています。

 下村通誉 フィールド科学教育研究センター教授、太田悠造 鳥取県立山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館学芸員、角井敬知 北海道大学講師の研究グループは、1995年から2023年にかけて、沖縄県から鳥取県にかけての広範囲の海域から、複数の研究機関の練習船や調査船による調査航海などで得られた標本を精査しました。得られた標本を各種顕微鏡で観察し、国内外で知られる種と、頭部や腹尾節(「しっぽ」のように見える部位の後端の三角形の部位)などの形態を比較することで、5種が名前のついていない未記載種(つまり新種)、1種が日本初記録、1種が1926年に長崎県で見つかって以来、99年ぶりの再発見となる種であることを明らかにしました。

 本研究によって国内から知られるウミクワガタ類は37種から43種となり、既知種数が16.2%増加しました。また、国内外におけるウミクワガタ類の同定がより円滑に行えるように、世界で知られる12属の検索表(形態の特徴から属を判別するための表)をまとめました。

 本研究成果は、2025年3月31日に、国際学術誌「Bulletin of Marine Science」にオンライン掲載されました。

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今回報告したウミクワガタ7種
研究者情報
書誌情報
【書誌情報】
Yuzo Ota, Keiichi Kakui, Michitaka Shimomura (2025). Review of the Gnathiidae (Crustacea: Isopoda) of western Japan with a description of five new species, one redescription, and one new Japanese record. Bulletin of Marine Science, 101, 2, 941-994.