幼児期の共感性を測定する -日本語版EmQue (Empathy Questionnaire) の開発-

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 高松礼奈 教育学研究科助教、楠見孝 同教授、Yung-Ting Tsou ライデン大学博士研究員、Carolien Rieffe 同教授の研究グループは、幼児期の共感性を測定する心理尺度Empathy Questionnaire(EmQue)の日本語版を開発しました。

 EmQueは、子どもの共感性について、母親(もしくは子育てに関わっている大人)が評定する心理尺度です。心理学の理論をもとに、(1)情動伝染、(2)他者の情動への注意、(3)向社会的行動、といった共感性の3側面を測定します。

 本研究成果は、2021年7月6日に、国際学術誌「International Journal of Behavioral Development」のオンライン版に掲載されました。

1~2歳頃から、自己と他者を切り離し、相手の感情を正しく理解した上で、自発的に向社会的行動を取るようになります(右図)。たとえば、自分は楽しくおもちゃで遊んでいても、泣いている他児に寄り添ってなぐさめるなど、相手を思いやった行動がみられます(左図)。
図:1~2歳頃から、自己と他者を切り離し、相手の感情を正しく理解した上で、自発的に向社会的行動を取るようになります(右図)。たとえば、自分は楽しくおもちゃで遊んでいても、泣いている他児に寄り添ってなぐさめるなど、相手を思いやった行動がみられます(左図)。
書誌情報

【DOI】https://doi.org/10.1177/01650254211022852

【KURENAIアクセスURL】http://hdl.handle.net/2433/264932

Reina Takamatsu, Yung-Ting Tsou, Takashi Kusumi, Carolien Rieffe (2021). The Japanese empathy questionnaire (EmQue) for preschool children: Psychometric properties and measurement invariance across gender. International Journal of Behavioral Development, 45(5), 453-462.