故・藤多哲朗 薬学研究科名誉教授らが第48回日本産業技術大賞・内閣総理大臣賞を受賞し、授賞式が行われました。(2019年4月3日)

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フィンゴリモドの分子模型を示す在りし日
の藤多 名誉教授

日刊工業新聞社が主催する「第48回日本産業技術大賞」において、故・藤多哲朗 薬学研究科名誉教授、田辺三菱製薬株式会社、三井製糖株式会社による「多発性硬化症治療薬フィンゴリモド塩酸塩」が、最高位の内閣総理大臣賞を受賞し、授賞式が行われました。

同賞は日本の産業社会の発展に貢献した技術成果を毎年選定し、開発・実用化した企業やグループを表彰しているもので、主要産業団体、学会などを通じて推薦された技術成果の中から、学識経験者らが構成する審査委員会が厳正に審査し決定されるものです。過去の受賞対象には、Suicaや東京スカイツリー、ホンダジェットの開発などがあり、国内外に大きなインパクトを与えた技術に授与される賞です。

フィンゴリモド塩酸塩は、故・藤多名誉教授が冬虫夏草から発見した免疫抑制物質が開発の契機となり、その後、吉富製薬株式会社(現・田辺三菱製薬株式会社)、台糖株式会社(現・三井製糖株式会社)との産学共同研究で医薬品の開発に至りました。日本で特定疾患に認定される難病の多発性硬化症に有効な治療薬として開発され、はじめて経口内服で使用できる医薬品として世界的に多くの患者に福音をもたらしました。現在では世界80か国以上で約20万人の患者の治療に貢献している画期的な医薬品として評価されました。

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