総合生存学館・宇宙総合学研究ユニット・米アリゾナ大学による第1回有人宇宙実習「スペースキャンプ・バイオスフィア2」が行われました。(2019年2月19日~22日)

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総合生存学館および宇宙総合学研究ユニットと米アリゾナ大学は、世界初の閉鎖環境施設「バイオスフィア2」(B2)を用いた第1回有人宇宙実習「スペースキャンプ・バイオスフィア2」 SCB2) を実施しました。本学からは山敷庸亮 総合生存学館教授、土井隆雄 宇宙総合学研究ユニット特定教授、寺田昌弘 同特定准教授および三木健司さん( 農学研究科博士後期課程2回生) 、星之内菜生さん( 工学部3回生 )、坂東日菜さん 理学部2回生)の学生3名が 参加しました。

B2は巨大な密閉空間にある人工生態系です。人類が地球外の惑星や宇宙空間に移住した際の生存可能性を研究するための施設として米アリゾナ州に建設され、内部に熱帯雨林・海洋・湿地帯・砂漠などの環境が再現されています。SCB2は、将来の有人宇宙ミッションや火星移住などで活躍できる人材育成を目指して、日米の学生を対象に、B2の環境を用いた講義や実習を行う日米合同の教育プログラムです。

実習は、本学の学生3名とアリゾナ大学の学生2名が2チームに分かれ、3日間にわたって行われました。惑星における二酸化炭素や水の循環、火星上の砂漠環境、閉鎖した集団生活における精神状態の管理などのテーマについて講義を受けたほか、ボートに乗って塩水に溶解した二酸化炭素の量とpHの関係を調査するなど、B2の海洋・森林・砂漠の各施設における実習にも取り組みました。最終日には、チームごとに実習で蓄積したデータを解析し、成果発表を行いました。

今回のSCB2は、宇宙総合学研究ユニットによる本学最初の国際的なスペースキャンプとなりました。国際協力のもとで綿密に準備されたプログラムによって、日米の学生はお互いにコミュニケーションを深め、有人宇宙ミッションに必要な知識や技能を効率よく学ぶことが出来ました。

「バイオスフィア2」の全景

海洋施設にて塩水のpHを測定

Jason Deleeuw B2 専門研究員による森林施設の案内

John Adams B2副所長による施設見学ツアー(宇宙農場の開設)

参加者の集合写真(上段左より三木さん、Cathryn Sephusさん(アリゾナ大学学生)、下段左より土井特定教授、寺田特定准教授、Alexus Cazaresさん(アリゾナ大学学生)、坂東さん、星之内さん、山敷教授)