三嶋 理晃(みしま みちあき)

病院・国際担当

特命事項
病院、国際戦略

メッセージ

平成24年10月1日付けで、理事・副学長に就任いたしました。病院・国際担当で、医学部附属病院長を併任させていただきます。松本総長のリーダーシップのもと、京都大学の一層の発展のために、全力を尽くしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

医学部附属病院(以下「京大病院」)は「患者中心の開かれた病院として安全で質の高い医療を提供する」、「新しい医療の開発と実践を通して、社会に貢献する」、「専門家としての責任と使命を自覚し、人間性豊かな医療人を育成する」の実現を目標として努力をしてきました。今後もこの目標を達成するために、努力を続けていきたいと思います。

診療面では、「がんセンター」、「臓器移植医療部」、「リウマチセンター」など、世界に誇る集学的で最先端の医療資源をより強化し、社会に一層貢献する病院を築きたいと考えます。教育面では、関係病院と連携して、研修医学部教育と初期研修教育の整合性の確保、初期研修医の処遇改善、若い医師の関係病院間の円滑なローテーションの確立などに力を注ぎます。自己の持つ技量を最大限駆使して患者さんの治療に全力を尽くす「Service」、実地臨床から真実を見出して新しい医学を創生する「Service」の両立、すなわち「ダブルS」を有することが医師の希求条件と考え、この理念で医師を育てていきたいと思います。研究面ですが、京大病院には、最先端医療機器の開発・マネージメントのための人材育成の場としての「最先端医療機器開発・臨床研究センター」、iPS細胞を用いた難病の研究・創薬や再生医療を目的とした「iPS細胞臨床開発部」、臨床研究の全国拠点として認定された「臨床研究中核病院」など豊富な資源があります。これらをもとに最先端の医療創生を目指して社会に貢献したいと考えます。さらに医療の国際化も重要な課題で、京大病院で行っている高度医療を駆使して国際貢献をしたいと祈念しています。

京都大学の国際関連事業は、各部局ですでに積極的に展開されています。国際担当としましては、その活動が効率的に展開できるようにオーガナイズする役割を担っていきたいと思います。

京都大学の国際事業は3つの柱からなります。第1の柱は国際教育事業です。京都大学が海外に開かれた人材育成の場として発展するためには、教育のグローバル化の促進が必須であります。そのためには、相手国との間で、学位認定をお互いに共有する複数学位制度(Double Degree Program、Joint Degree Program)の確立を早急に進める必要があります。また、日本人・留学生の両方に求められるグローバルな資質:日本人についてはコミュニケーション能力、外国語運用力、リーダーシップ力、外国人については日本文化への理解、必要な日本語能力を向上させていくシステムをより充実される必要があります。第2の柱は、国際研究交流です。国際研究を推進支援していくためにはUniversity Research Administrator(URA)などの研究支援体制の強化が必要であります。また、若手教員が海外へ海外留学するには留守をする教室への配慮も大切です。これに対して、他大学に先駆けた支援事業として「ジョン万プロジェクト」の運用を始めています。今後これを一層充実することが必要です。第3の柱は総合的な国際交流です。最近は、国際交流において、国際教育、国際研究などをパッケージとして提示することが原則となりつつあります。京都大学の優れた知財を結集して、世界にそのすばらしさをアピールし、双方にメリットの大きい国際交流を樹立していくのが、京都大学の使命と考えます。

巨大な組織がさらなる発展を遂げるためには、構成員全員が組織を愛し、心一つになって努力することが大切と考えます。京都大学は、超一流の学生・教員・職員から構成されており、各自の愛校心は格別のものであります。私もその一員として微力ながら努力いたしますので、今後ご鞭撻・ご指導のほどよろしくお願い申し上げます。