小寺 秀俊

渉外・産官学連携担当

特命事項
外部戦略、社会連携、大学基金、同窓会、広報

メッセージ

平成24年10月1日付けで、渉外・産官学連携担当の理事・副学長に就任しました。産官学連携本部長も務めております。松本総長のもと、京都大学のますますの発展のために、全力を尽くしたいと思いますので、皆様のご支援をよろしくお願い申し上げます。

大学の果たすべき役割は、教育と研究に加え、第三の使命として社会貢献があります。大学の社会貢献には様々な形態がありますが、私の担当する渉外と産官学連携はその大きな柱であると考えています。

渉外では大学外部と連携する様々な事業を行っておりますが、本学の教育と研究の内容および成果、さらには大学の現状を正確かつ迅速に発信することが第一の使命です。ホームページや紅萠・楽友(広報誌)等の各種冊子を通じた広報活動もその一環です。

また、本学の卒業生・修了生からなる同窓会の構築と活動の支援にも力を入れております。京都大学同窓会には、国内に73、海外に22と、全部で95組織が加入しておりますが、国内のみならず海外にも加入組織があり、これら同窓会の行事やホームカミングデイの開催を通じて卒業生同士の交流を深めていくとともに、卒業生と大学との連携強化を図っています。国からの運営費交付金が年々減少していく中、日本のみならず世界の大学との厳しい国際競争を勝ち抜いていくためには、寄附金による資金力の強化によって大学の財政基盤を固めることが必要不可欠です。京都大学基金へいっそうの支援をいただくためにも、京都大学の魅力を発信し、同窓生との緊密な連携を深めていく活動が大切であると考えております。

さらに、広く一般の人々に向けて、大学が生涯にわたって人生の支柱となるという大学基軸論に則り、研究成果の発信や生涯学習の機会を提供する「京都大学未来フォーラム」や「東京で学ぶ 京大の知」などの各種講演会やセミナーを実施しています。こうした外部との関わりを通じて、社会から大学がどのように見られているかを理解し、その情報を大学改革へも反映しております。

私のもう一つの担当事項である産官学連携も大学において大変重要な機能の一つであり、本学では産官学連携本部がその役割を担っております。大学が創出した研究成果を国内のみならず、広く社会に還元することがその役割です。

本学の産官学連携活動は大きく3つの事業からなります。第1は「プロジェクト構築事業」です。本学の研究成果、シーズを元にした国家プロジェクトを含む新規産学連携プロジェクトの構築と推進です。第2は「知的財産の権利化事業」です。長期的な研究開発や日本の産業振興に役立つような知的財産の確保に努めています。第3は「技術移転事業」です。平成23年度には本学の特許権実施等収入が全国の大学1位となったように、本学における産官学連携活動の実績も成果として現れてきております。今後とも研究成果等の企業等への移転等を通じて社会還元を果たしてまいりたいと思います。

一方、産業界・経済界に目を向けますと、平成20年のリーマンショック以降、景気復調の兆しが見えない状況にあります。本学としては学内の産学連携の活性化だけに止まらず、地域の産業や行政、他大学等と連携をとりながら、大学が中心となった産学連携によって日本における革新的なイノベーションの一翼を担えるよう俯瞰的な活動を推進していくことが、いま大学に求められている使命であると考えております。

本学の構成員全員と社会の協力を得て、全力でこれらの業務を進めてまいりますので、ご指導・ご鞭撻くださいますようよろしくお願い申し上げます。