村中 孝史

村中 孝史(むらなか たかし)

戦略調整、企画、学生、環境安全保健担当
ブロボスト 副学長

メッセージ

 このたび、戦略調整、企画、学生、環境安全保健を担当することとなりました。微力ではありますが、京都大学のために少しでもお役に立てるよう努力したいと考えています。

 京都大学では、実に多様な分野の教育・研究が行われています。また、研究科や研究所等の組織はそのままでも、そこで行われる研究は日々進化し、振り返ってみれば、同じ組織かと思えるほど研究内容が変化していることもあります。これらは個々の研究者による自由な発想と創造の積み重ねの結果であり、計画的な業務執行の結果というわけではありません。大学というのは、基本的にそうした性格をもつものであって、それ故にこそ未知なるものを発見し創造することが可能となります。そのため、優れた資質を持ち意欲あふれる研究者が本学に集い、互いに切磋琢磨できる環境を整備することが、大学、そして学問の発展にとってもっとも重要な条件と言えましょう。戦略調整や企画という所掌事項に関しては、そのような観点を重視して職務にあたりたいと思います。国立大学法人という制度的な枠組みの中で、できる限り国民からの期待に応えられるよう、皆様の協力を得ながら、より良い方策を考えていきたいと思います。

 私のもう一つの所掌は学生生活や環境安全保健です。大学に集う者が安全に教育を受け、研究を行えることは、教育・研究にとっての基本的な前提条件です。また、学生が充実した学生生活を送れるよう、できる限り支援することも重要です。しかし、運営費交付金が削減される中、こうした課題のために使用できる財源は次第に制約されてきました。このような環境下で環境安全保健や学生生活支援を充実させるには、今まで以上に業務の効率性を高める必要があると思います。どのようなことが可能であるのか、この課題についても様々な議論を通して具体策を検討していきたいと考えています。

 京都大学は、「自由の学風」という伝統を大事にしてきました。私もそれを尊重しています。しかし、各自の「自由」は、時として互いに衝突します。また、限りあるリソースに対しニーズの方が大きいことが一般的です。大学本部はそのような利害衝突の調整を行わなければなりません。その調整作業にあたっては、できる限り多くの人の利害に配慮することが必要ですし、大学が社会の一部である以上、社会のルールから逸脱することのないように配慮することも必要です。皆様の協力を得つつ、以上のような姿勢で職務に取り組もうと考えていますので、よろしくお願い申し上げます。