平島崇男

平島崇男(ひらじまたかお)

教育、情報、図書館担当
副学長

メッセージ

 令和2年10月1日から、教育・情報・図書館担当として理事・副学長に就任しました。大学の最も大切な使命は学部生・大学院生の教育です。彼ら・彼女らに、京都大学の建学精神の一つである自学自習を実践できる豊かな学びの場を提供し、そのもとで、教員・学生・職員がお互いに切磋琢磨し、その成果として、学界や社会の各階層の牽引役を担う優秀な人材を輩出すること、これこそが、京都大学に負託された大きな存在意義、かつ、社会貢献であることは言を俟ちません。

 その一方で、OECDのEducation2030プロジェクトは、近未来に大学や大学院を修了した人材に求める能力として、基礎学力や専門性・独創性に優れているだけでは不十分で、地域社会や地球全体の社会幸福の充実を考えて行動するための知識、スキル、価値観を持つことが重要であると提言しています。この提言は、大学の究極の目的である真理の探究によって前者の属性は涵養できても、後者の属性を身につけさせるためには、更なる工夫が必要ではないかとの問いかけです。

 この提言を待つまでもなく、真理の探究をおろそかにせず、社会の要請を満たすために、京都大学の教員や職員は、学生諸君が切磋琢磨するためのより良い教育環境や教育制度を提供することを目指し、常に改善・改革に努めてまいりました。

 昨今は、教育効果を向上させるためには、講義・演習・実験など(教育)の実施において、ICT(情報)を用いて、先人が蓄積した知の集約(図書館)を上手に活用することで、その効果が格段に向上することが判ってきました。

 特に、2019年末から発生した新型コロナウィルス感染症への対策とし、2020年前期授業はその大半がオンラインで実施され、その検証結果が出始めています。速報値によると、講義の理解度という点ではこれまでの対面型授業に比して向上がみられるなど、プラスの効果が認められる反面、キャンパスに立ち入ることができないことから体調を崩した例や、学生同士の交流が皆無に近いという不満の声が上がっています。特に、OECDが求める新たな属性の涵養には人と人との密な触れ合いが重要な意味を持つので、新入生の皆さんに通常のキャンパスライフを提供できなかったことを非常に残念に思っています。

 2020年後期の授業は、コロナ感染のピークが過ぎたことにより、感染防止の準備が整ったところから、対面授業を再開していただいていますが、大半の1回生授業では対面型授業の実施に踏み切れていないのが実情です。

 また、教育面での当面の愁眉の的は、2021年4月から対面授業を実施できるか否かです。その頃までに新型コロナウィルスのワクチンの接種は完了しないでしょうし、感染状況の予測も困難です。先生方や職員方にはご負担をおかけすることになりますが、Withコロナの想定のもとで、対面授業とオンライン授業の両にらみでご準備をしていただくことになると思います。

 情報環境機構と附属図書館の教員・職員の方々には、日々の教育を支えるICTサービスなどを円滑に運営するためにご尽力いただいております。この両部門においても、大型計算機の定期的な更新、電子ジャーナル購読費の高騰などなど、財務も関係する改善・解決すべき課題は山積しています。

 先任の北野・川添の両理事ならびに関係教員・事務方から引継ぎ事項のご説明をいただき、10月の業務全般は何とか無事に乗り切ったところです。今後も、教育・情報・図書館業務を円滑に運営していくために、先生方や職員の皆様からもご協力給われますよう、ご指導、ご鞭撻のほど、どうぞよろしくお願いいたします。