尾池前総長肖像画贈呈式 挨拶 (2009年11月25日)

第25代総長 松本 紘

松本総長 このたび、尾池前総長肖像画贈呈式開催に際し、京都大学を代表いたしまして一言ご挨拶申し上げます。

 尾池先生ならびに奥様、本日はご多忙にもかかわらず、ようこそお越しくださいました。久々の京都大学構内は如何でしょうか。学内の木々もすっかり色づき、1年のうちで最も「千年の都」としての京都を心から感じられる季節となってまいりました。

 さて、先生が京都大学総長を退任されてから、早いもので1年少しが過ぎました。この間、京都大学では、益川先生のノーベル物理学賞受賞、また、山中iPS細胞研究センター長の世界で権威のある医学賞の一つであるラスカー賞受賞をはじめとして、京都大学に学び、働く者として心から喜びを感じる出来事が数多くありました。

 研究大学として、世界レベルの研究競争を勝ち抜くため、次世代を担う優秀な若手研究者を学内外問わず公募により採用し、全学的に支援する「次世代研究者育成支援事業(白眉プロジェクト)」を立ち上げ、事業を推進しているところです。

 建物関係では、本学の21世紀の更なる学術・文化の発展に貢献していくため寄贈されました稲盛財団記念館、地域住民および社会との活発な交流が可能な開放的施設として宇治おうばくプラザが竣工しました。国内外の連携拠点の整備としては、欧州地域の産官学連携活動の拠点として、英国ロンドンに「産官学連携欧州事務所」を開設したほか、東京地区における情報の収集および発信の拠点として京都大学東京オフィスを開所いたしました。また、楽友会館についても、創建当時の様式を復元し、教職員、学生、同窓生が会食や集いの場として利用できる親睦施設として、来年の夏頃に竣工する予定となっています。

 その他、広報、産官学連携、共同研究、地域連携等のアウトリーチ活動についても、積極的かつ着実に取り組んでおりますが、これは一重に尾池前総長によって培われたものであり、ここにあらためまして心より御礼申し上げる次第です。

 さて、昨年12月、「尾池前総長退職記念事業実行委員会」を設立し、多数の方々の賛同を得まして、京都市立芸術大学 美術研究科長 鶴田憲次先生に潤筆をお願いしておりました肖像画が、このたび見事完成しました。本日ここに披露させていただき、皆様方とご一緒にお祝い申し上げる運びとなった次第です。

 鶴田先生には後程、ご挨拶いただくことになっておりますが、私どももまだ見ておりませんので、どれほど似ておられるか、尾池先生の人となりが表現されているのか、「除幕」を楽しみしておりますことを申し上げまして、はなはだ簡単ではございますが挨拶とさせていただきます。

松本総長と尾池夫妻
尾池先生と肖像画

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