京都大学志賀高原ヒュッテ移管式 挨拶 (2009年9月4日)

第25代総長 松本 紘

当日の様子

 本日、「京都大学志賀高原ヒュッテ」を、スキー部OB会である「やまなみ会」から移管するにあたり、一言ご挨拶申し上げます。

 本日は、ご多忙の中、財団法人「和合会」理事長の佐藤様、「志賀高原観光協会」会長の春原様、「京大やまなみ会」会長の川越様をはじめ、地元の関係の皆様方、多数の卒業生の皆様方にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 「京大ヒュッテ」は、昭和13年に、当時の京大スキー部関係者が寄附金を集め、ここ志賀高原に建設されました。以来、約70年にわたり、スキー部OB会である「やまなみ会」の皆様方のご尽力により、管理・運営がなされてまいりました。
そして、平成13年には、OBの皆様方からの寄附金約1億1千万円によって、老朽化した施設の全面改築が行われ、毎年、多くの方々の利用に供していると聞いております。

 これまでのスキー部関係者の並々ならぬご尽力と、地元の皆様方の暖かいご支援に、深く敬意を表する次第であります。

 さて、「京大ヒュッテ」は、皆様方のご支援により引き継がれてまいりましたが、昨今の状況の変化などにより、スキー部関係者のみの利用では、経営上厳しい状況となってまいりました。
  また、こうした課外活動施設を、スキー部員だけでなく、多くの学生や教職員、卒業生が利用させていただくことも、本学の教育・研究活動の充実を図る上で、有意義であると考えられます。
  そこで、「やまなみ会」の方々と大学との間で協議を重ね、本年10月より、ヒュッテの管理・運営を京都大学に移管することとなりました。本学としては、今後、学生の課外活動施設として、教職員を含めた福利厚生施設として、さらなる活用を図っていきたいと考えております。

松本総長 ご案内のとおり、この「ヒュッテ」のあります志賀高原は、上信越高原国立公園の中心をなしております。春には水芭蕉の花が咲き、夏には群生した高山植物が咲き乱れ、秋にはカエデ、ミズナラなどの紅葉が山々を染めます。春から秋にはトレッキングに、冬は我が国最大規模のスキー場として、日本全国からたくさんの旅行客が訪れます。
  ヒュッテの利用者の中心となる学生は、春から秋には、豊かな自然の中で、動植物に触れたり、火山学や地質学等のフィールドワークの拠点として、また、冬には課外活動の拠点として、1年を通じての利用が見込まれます。

 私は、かねてより、学生には幅広く教養を身に付けてほしいと願っています。また、併せて、課外活動への積極的な参加を推奨しています。 これは、体育会に所属する運動系のクラブ活動でも、文化系のクラブ活動でも構いませんので、課外活動への参加を通じて、たくさんの人達と様々な体験をし、若いうちに、多くの引き出しをできるだけ持つことが重要であると思います。大学院での研究や社会人になったとき、多く持っている引き出しが必ず生きてきます。

 また、本学の学生が、この「ヒュッテ」の活用を通じて、普段あまり話すことのない学生や教職員、OB・OGの方々、地元の方々と触れ合うことは、人間形成を図る上でも、絶好の機会であると考えています。
  是非、より多くの学生や教職員、卒業生の皆様に、これまでにも増してご利用いただき、「ヒュッテ」が一層発展していくことを祈念する次第であります。

 最後になりますが、本日お集まりの皆様方におかれましては、かねてより、京都大学並びに「京大ヒュッテ」に対し、格別のご理解とご支援をいただいているところであります。重ねて御礼申し上げるとともに、引き続きご支援を賜りますようお願いいたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。

関連リンク

京都大学志賀高原ヒュッテ移管式を挙行しました。(2009年9月4日)