第2回 日中大学学術フォーラム 挨拶 (2009年2月7日)

第25代総長 松本 紘

松本総長 京都大学総長の松本 紘でございます。

 昨年10月1日から、尾池和夫前総長の後を受け、第25代の京都大学総長に就任いたしております。本日は、京都大学において開催された第2回日中大学学術フォーラムに、日本と中国の著名な大学から多数の教職員、学生の方々にご参加いただき誠にありがとうございます。特に、中国からは春節後の多忙な中を本フォーラムにご参加いただきましたことを感謝しますとともに、日本側の大学を代表して心から歓迎いたします。

 日本では、2月4日に立春を迎え、暦の上ではこれから春に向かうという明るい季節を迎えます。

 日本と中国は「一衣帯水」の地理的関係にあり、お互いの交流は数千年の歴史があります。このような両国の関係は、世界の中でも稀なものといえるでしょう。

 中国の隋や唐の時代には、日本から海を渡って多くの遣隋使・遣唐使が留学・派遣されており、その後も日本は中国から多くのことを学んできました。そのためこの両国は、漢字文化を中心として、今日でも文化的な共通点が多く見られます。永い歴史の中での両国関係の紆余曲折の中でも、今日ほど、両国の学術交流をはじめ多方面の活発な交流が行われている時代はないのではないでしょうか。今回のフォーラムのような両国の大学間での学術交流は、両国の今後の友好と発展に、さらに寄与するものとして、意義あるものと思います。

当日の様子 この日中大学学術フォーラムは、復旦大学の 王 生供(Wang Shenghong)前校長のご尽力により、日本の慶應義塾大学、京都大学、中国の北京大学、復旦大学の4大学が世話人となり、学術協力等を通じた日中の大学間の交流・連携を拡大することを目指し、日中学長会議に参加された日中の主要な大学に参加を呼びかけて開催され、第1回は2006年12月に中国・上海の復旦大学主催で行われました。そして今回、第2回は日本側でということで、京都大学が開催させていただくこととなりました。今回の開催にあたっては、学生間の幅広い交流を積極的に支援し、将来を担う両国学生の相互理解と友好の継続が必要であるという第1回フォーラムの提案と成果を受け、学生セッションをフォーラムの中に設けることを特徴としております。昨日すでに行われました学生セッションでは、日中両国の大学から推薦された学生が3つのグループに別れて、学術交流の連携を基盤とした、日中の大学における学生交流の推進について、若々しい白熱した議論が展開されたことと思います。本日午後には、その各セッションにおける報告と討論が予定されています。学生諸君との交流のセッションを大いに期待しております。

 ここでは、ご参加くださっている各大学の皆様から、ご講評等を含めた幅広い議論をいただきたく思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 最後に、この第2回日中大学学術フォーラムを通して、本日ご参加いただいている日中の大学の方々が幅広く交流され、今後の日本と中国の大学間における緊密な学術連携によって、アジア地域を含めた世界への学術的貢献と平和友好がさらに進展するとともに、各大学の発展を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。

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