留学費用の準備

留学費用の準備

派遣留学で行くにせよ、派遣留学でないにせよ、留学には費用がかかります。したがってその費用をどう工面するかは大事な問題です。ここで、留学にかかる費用の内訳を考えて見ましょう。

留学前と留学中の出費を合計すると、相当の費用になります。具体的に、米国と、ドイツに留学した場合の費用の一例を次表に示しました。ただし費用はあくまで概算で、大学の寮に住むことを前提としています。

一つだけ考えておきたいのは、留学費用は非常に高いように見えますが、留学せず日本にいたとしても、それなりに費用がかかっていることです。本当の留学費用を考えるなら、留学によって不要となった日本での諸経費を留学費用から差し引くべきでしょう。

1年間の留学コストの例 (2009-2010年)
  米国ペンシルベニア大学(私立) ドイツ(国立)
授業料、大学諸経費 38,970ドル(*) 授業料はなし
教科書、文房具代 1,090ドル 1000ユーロ
部屋代、食費 11,000ドル(**) 6000ユーロ
現地の医療保険 300-600ドル 600ユーロ
雑費 1500-3000ドル 1000ユーロ
渡航費 現地の一時滞在ホテル代は別 15万円 15万円
日本でかけていく海外旅行保険 15万円 15万円
日本国内費用 パスポート代 5万円 5万円

(注意)
* 派遣留学の場合には留学先の授業料はかかりません。
**ペンシルベニア大学での一般的な大学生の住まいの平均値が年間約7,000ドルです。

現地でのアルバイト

通常、留学先でのアルバイトは認められていません。アルバイトの事実が分かると強制送還されたり、将来その国を訪れることができなくなる恐れもあります。したがってアルバイトはできないと考えてください。

留学前の出費

1. 情報収集費

留学についての情報を集めるためにかかる費用です。留学に関する情報誌、語学試験等の問題集代、(多くは大阪や東京で開催される)留学フェアや各国の教育センターなどへの交通費があります。

2. 試験費用

留学に語学試験等が必要であれば、そのための費用が必要です。TOEFLは一度の受験に170ドルかかります。力試しを兼ねて、まず一度語学試験を受けてみることも必要なので、計画的な準備が必要です。

3. 出願料

多くの大学で出願料がかかります。京都大学からの派遣留学の場合にはかかりません。

4. パスポート・ビザ費用

海外渡航時にはパスポートが必要ですが、それ以前に、ビザ申請やTOEFL受験にもパスポートが必要です。できるだけ早くパスポートを作っておきましょう。
ビザの手続は、渡航先によってまちまちです。正式な受入れ通知が届く前から、当該国の在日大使館・総領事館等で、手続に関する詳細な情報を入手し、早くから準備をしてください。

5. 渡航費(往復)

渡航に伴う飛行機代、リムジンバス等の費用です。また、渡航後、留学先の寮などに入居できるまでの間の宿泊費用も考えておく必要があります。たとえば一日70ドルのホテルに10日滞在しただけで、700ドルになりますから、あらかじめ考えておく必要があります。あまり安いホテルは危険なこともありますから、気をつけましょう。

6. 海外旅行保険料

これについては、海外留学のリスク管理の項目でも、保険の種類などを詳しく説明していますので、かならず熟読してください。クレジットカードに付帯する保険では、万一の時のリスクを十分にカバーできていないことがありますので、留学に際しては、損害保険会社が提供する海外旅行保険を個別にかけていく必要があります。コストは年間で十数万円程度になりますが、国によっては、何千万円もの治療費を請求されることもあるので、必要な保険をよく検討して加入してください。

留学中の出費

1. 授業料

授業料は各国の大学・学部により異なります。京都大学からの派遣留学の場合には、留学先大学の出願料・授業料は免除となりますが、派遣留学期間中も京都大学の学費を払わねばなりません。派遣留学以外の留学で長期に留学をするときは京都大学を休学していくこととなります。休学期間中は京都大学の学費を払う必要はありません。ただし、休学をすれば卒業が延びることになります。
米国の大学、特に私立大学の授業料は非常に高く、年間で2万ドル以上となることもあります。逆に欧州の大学、たとえばドイツやフランスの国立大学では、授業料は必要ありません。またアジアの大学の授業料は一般に安くなっています。これらの事を総合的に考えながら、希望する地域を検討してください。

2. 滞在費

滞在費には主として宿舎費用、食費、交通費、衣料費などがあります。滞在費は留学する先で変わります。ペンシルベニア大学であれば宿舎費用として、月に700ドル程度かかります。ドイツでは学校の寮に入ると、月に300-400ユーロかかります。その他に雑費なども考えておきましょう。

3. 現地保険料

日本でかけた保険とは別に、現地の健康保険や責任保険に加入が義務づけられる場合の費用です。

4. 書籍代

授業のための本代が必要となります。

5. 語学学校費用

米国や欧州の留学では少し早めに現地入りして事前に大学に併設されている語学学校に通うことがあります。そのための費用は個人負担です。

6. 旅行費用・小遣いなど

留学中に旅行をしたり、友人と飲食をしたりするための小遣いです。