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生物の生死はしばしば偶然に左右されますが、そんな運命に懸命に抗う小さな生き物のお話です。
金藤栞 農学研究科博士後期課程学生と矢野修一 同助教の研究グループは、肉食性のコウズケカブリダニとケナガカブリダニが、草食性のチョウやガの幼虫(以下「芋虫」)の足跡を避けて産卵することを世界で初めて発見しました。何故肉食者が、下位栄養段階の芋虫の足跡を避けるのでしょうか。体長が0.5mm以下のカブリダニは、農業害虫のハダニを捕食して植物に産卵します。ところがその植物を餌にする大型芋虫は、ダニたちにお構いなく植物を無慈悲に食い進みます。足が速いカブリダニの成虫は芋虫から逃げられますが、動けない卵は芋虫に植物ごと「捕食」されます。カブリダニは芋虫の足跡を避けて産卵することで、この大惨事を防いでいるようです。草食性のハダニも芋虫の足跡の化学成分を避けるので、その原因となる物質を特定できれば、天敵のカブリダニと併用してより効率的にハダニを防除できるかもしれません。芋虫を恐れるハダニとカブリダニは芋虫の足跡がない場所で出会い易くなると予想されるからです。
本研究成果は、2026年4月7日に、国際学術誌「Ecosphere」にオンライン掲載されました。
画像
研究者のコメント
「研究はパズルをはめる作業に似ていると思います。手中のピースをはめることに固執して前に進めない日々もありますが、ふとした思い付きから予期しない重要なピースがはまり、一気に全体の絵が見通せるようになる日もあります。そんな忘れがたい爽快感を味わうために、思いついたことを試し続けることが大事なのだと感じる今日この頃です。」(金藤栞)
詳しい研究内容について
研究者情報
研究者名
Shiori Kinto
研究者名
矢野 修一
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