より安全な治療の実現へ、薬物間相互作用に新たな視点~薬の “脇役” が “主役” の体内動態を変える可能性~

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研究者情報

概要

 宮崎大学医学部附属病院 薬剤部の山田侑世 薬剤師、池田龍二 教授、ならびに京都大学医学部附属病院 薬剤部の中川俊作 准教授、寺田智祐 教授をはじめとする研究グループは、医薬品添加剤であるスルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン(SBE-β-CD)が、抗菌薬であるテイコプラニンの薬物動態を変化させる可能性を発見しました。

 テイコプラニンは、重篤な感染症の治療に使用される抗菌薬です。SBE-β-CDは、環状構造を持つシクロデキストリンの一種で、水に溶けにくい医薬品有効成分の溶解性を高める添加剤として広く利用されています。研究グループは、これまでに、テイコプラニンで治療中の造血幹細胞移植患者において、SBE-β-CDを添加剤として含む抗真菌薬のポサコナゾールを併用すると、テイコプラニンの血中濃度が低下することを明らかにしてきました。今回、この現象が、SBE-β-CDの環状内部の空洞にテイコプラニンの化学構造の一部が取り込まれることを原因とする分子メカニズムを提案しました。

 本研究成果は、医薬品の有効成分どうしだけでなく、「添加剤」も、併用薬の体内動態に影響を及ぼし得るという新たな薬物間相互作用の可能性を示すものです。本研究成果は、2026年7月18日付で、国際学術誌 「International Journal of Pharmaceutics」 にオンライン掲載されました。

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