研究者情報
研究者名
中野 智之
概要
東京都立大学大学院理学研究科の村上将希 日本学術振興会特別研究員、髙山浩司 教授、同理学部の木藤俊太朗 学部学生、一般財団法人自然環境研究センターの森英章 上席研究員、森林総合研究所の川上和人 地域研究監、筑波大学の上條隆志 教授、京都大学フィールド科学教育研究センターの中野智之 准教授らの研究チームは、小笠原諸島西之島において、2013~2020年の大規模噴火によって植生が完全に消失した後、初めてコケ植物およびシダ植物の生育を確認しました。
2025年7月に実施した上陸調査において、海岸近くの火山礫(スコリア)や火山灰堆積地で確認されたコケ植物および幼いシダ植物を採集し、形態観察およびDNA解析を行った結果、コケ植物1種(ユミダイゴケ)とシダ植物2種(イワヒメワラビ属の1種、タマシダ属の1種)が生育していることを明らかにしました。
これらはいずれも胞子による長距離分散能力を持つ先駆的な植物であり、極めて孤立した海洋島においても植物の侵入が始まっていることを示しています。本研究成果は、西之島における一次遷移の開始を示す重要な発見であり、海洋島における生態系形成過程を解明するうえで重要な基礎資料となります。
本研究成果は、2026年7月10日に国際学術誌「Nordic Journal of Botany」に掲載されました。
【DOI】
https://doi.org/10.1002/njb.05253
【書誌情報】
Shoki Murakami, Hideaki Mori, Shuntaro Kito, Kazuto Kawakami, Takashi Kamijo, Tomoyuki Nakano, Koji Takayama (2026). Initial colonization by bryophytes and ferns during primary succession on Nishinoshima, Japan. Nordic Journal of Botany, e05253.