磁性材料のエネルギー損失に潜む「熱ゆらぎ」を説明可能AIで解明~エントロピーの効果を世界初で可視化、新材料の設計指針を提示~

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 平岡裕章 高等研究院教授、小嗣真人 東京理科大学教授、増澤賢氏(元・東京理科大学修士課程学生)、筑波大学、岡山大学らの研究グループは、次世代の説明可能AI「拡張型自由エネルギーモデル」を進化させ、新たにエントロピーの項を加えたモデルを開発しました。

 この新モデルを用いることで、磁性材料のエネルギー損失における熱ゆらぎのメカニズムを定量解析することに成功しました。さらに、エントロピー増大の起源を顕微鏡画像上に直接可視化することにも成功しました。

 電気自動車(EV)のモーターでは、エネルギー損失(鉄損)における熱的な散逸が重要な課題となっています。本研究で提案した次世代AIを用いた解析により、温度が上がるほど磁区構造が複雑化し、エネルギー損失の一因となることを明らかにしました。さらに熱ゆらぎによるエントロピーの局所的な増大を可視化することに成功しました。この成果は省エネルギーな次世代磁性材料の設計指針を与えるものであり、本モデルの有用性を示す結果といえます。

 本モデルは、人間が認識困難だった隠れた材料知を可視化するAI手法です。自由エネルギーの汎用性を活用し、半導体や電池材料など幅広い材料開発への展開も期待されます。

 本研究成果は、2026年2月11日に、国際学術誌「Scientific Reports」にオンライン掲載されました。

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