ヤドカリの体内に寄生するカニヤドリムシの日本初記録および新属新種記載―日本初のヤドカリ寄生カニヤドリムシ―

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 篠田晏希 理学研究科博士後期課程学生、中野智之 フィールド科学教育研究センター准教授、下村通誉 同教授、滝山直人 東京海洋大学大学院生、藤田大樹 日本学術振興会特別研究員らの研究グループは、高知県土佐市の潮下帯にて得られたイザナミツノヤドカリDiogenes izanamiaeの体腔内からオカダンゴムシやダイオウグソクムシの仲間である等脚類カニヤドリムシ科(Entoniscidae)の1種を発見しました。解剖学的な形質の精査の結果、雌胸部に7対の脚、腹部に4対の腹肢を持つ形質は既存のどの属にも当てはまらないため、新属新種と判断し「ヤドカリノカニヤドリParadiogenion japonica」と命名し記載しました。種小名は日本から初めて発見されたことに由来します。和名はヤドカリに寄生するカニヤドリムシ類であることからこのように命名しました。

 日本産カニヤドリムシ科はこれまで10属11種が報告されています。しかしそのほとんどのカニヤドリムシは、その名のとおりカニからの発見でした。今回の研究で、ヤドカリからカニヤドリムシが日本で初めて見つかりました。またこの発見は、亜科レベルでの日本からの初記録となりました。カニヤドリムシ類は脚や腹肢がしばしば退化することで知られますが、ヤドカリノカニヤドリは雌胸部に7対の脚、腹部に4対の腹肢を持つことからカニヤドリムシ科の中でも祖先的な種であると考えられます。

 本研究成果は、2026年4月6日に、国際学術誌「Systematic Parasitology」にオンライン掲載されました。

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イザナミツノヤドカリ(右上)とそれに寄生するヤドカリノカニヤドリ(左)©篠田晏希

研究者のコメント

「ヤドカリに寄生するカニヤドリムシの存在は知っていたものの、日本に生息しているとは思っておらず、まさに夢のような存在でした。実際に発見したときは、とても嬉しかったです。本種はダンゴムシの親戚ですが、似ても似つかない非常にユニークな見た目をしています。こんないきものもいるのだと面白がってもらえたら幸いです。」(篠田晏希)

研究者情報
研究者名
Haruki Shinoda