梅田達也 医学研究科研究員(兼:山梨大学教授)、関和彦 国立精神・神経医療研究センター部長、金祉希 同研究員(研究当時)、戸松彩花 生理学研究所特任准教授、武井智彦 玉川大学教授、舩戸徹郎 電気通信大学准教授は、霊長類(サル)が行う自己の意思に基づく運動(随意手関節運動)において、興奮性の脊髄反射回路(正のフィードバック回路)が、巧緻な手の運動の「計画」と「実行」の両方に重要な役割を果たすことを明らかにしました。つまり、実際に運動するときに見える筋活動(振幅・持続時間)は、運動前の「計画段階」で、脊髄回路のフィードバックの強さ(ゲイン)があらかじめ設定され、実際の運動は脊髄反射が実行していることを示唆しています。これらの成果は、「巧みな手の動きは大脳皮質が中心」という従来の見方に対し、脊髄反射回路が皮質機構と並列に働き、随意運動を支えるという新しい枠組みを提示するものです。
本研究成果は、2026年3月19日に、国際学術誌「PNAS(米国科学アカデミー紀要)」に掲載されました。
【DOI】
https://doi.org/10.1073/pnas.2525051123
【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/300099
【書誌情報】
GeeHee Kim, Saeka Tomatsu, Tatsuya Umeda, Tomohiko Takei, Tetsuro Funato, Kazuhiko Seki (2026). Autogenic spinal excitatory circuit ensures skilled hand movements in primates. Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS), 123, 12, e2525051123