百年以上前から経験的に用いられてきた鉛蓄電池添加剤の効果を先端計測で解明〜微量アンチモンが正極構造を安定化する原子レベルの仕組みを可視化〜

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 早川佳樹 人間・環境学研究科博士課程学生(兼:株式会社GSユアサ社員)、渡邊稔樹 同特定助教、内本喜晴 同教授らの研究グループと株式会社GSユアサは、共同研究で、鉛蓄電池の正極に微量添加されるアンチモンが、電池の寿命を延ばす仕組みを、放射光X線を用いた先端計測により原子レベルで解明しました。

 鉛蓄電池は1859年の発明以来、160年以上にわたり社会インフラを支えてきた最も歴史ある二次電池です。その一方で、正極活物質が繰り返しの充放電により軟化・脱落することが寿命低下の主要因であることが古くから知られていました。この劣化を抑制するため、アンチモンを微量添加すると耐久性が向上することは、20世紀初頭から経験的に知られていましたが、その作用機構はこれまで明らかにされていませんでした。

 本研究成果は、2026年1月14日に、国際学術誌「ACS Omega」にオンライン掲載されました。

画像
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本研究の概要図:鉛蓄電池正極において、充放電に伴いアンチモンが二酸化鉛格子へ可逆的に取り込まれ、放電時には粒子表面で構造安定化に寄与する様子を、放射光X線を用いたマルチスケール解析で捉えている。
研究者情報
研究者名
Yoshiki Hayakawa
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.1021/acsomega.5c11008

【KURENAIアクセスURL】
http://hdl.handle.net/2433/299153

【書誌情報】
Yoshiki Hayakawa, Ikumi Ban, Yoshiaki Yamaguchi, Toshiki Watanabe, Toshiyuki Matsunaga, Yoshiharu Uchimoto (2026). Quantitative Synchrotron XRD and Cryogenic EXAFS Reveal the Structural Role of Antimony Ions in Lead–Acid Batteries. ACS Omega, 11, 3, 4635-4641.