京都府伊根町沖から新種テッポウエビ類の発見―貴重な抱卵メス1個体―

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 邉見由美 フィールド科学教育研究センター助教と駒井智幸 千葉県立中央博物館動物学研究科長との共同研究グループは、京都府与謝郡伊根町沖の海底から未記載の甲殻類を発見し、新種「ワカサムラサキエビAthanas exilis」として記載しました。新種の第3〜第5胸脚の指節が細長いことから、ラテン語で「細長い」を意味する「exilis」を用いてAthanas exilisとしました。なお、若狭湾から採集されたことから、「ワカサムラサキエビ」としました。

 一年間の定期調査で、ワカサムラサキエビは抱卵メス一個体しか採集されていないことから、個体数の少ないエビであることが考えられます。昨年新種記載されたワカサスナモグリに続いて、京都府の海からまた新種発見の報告となりました。日本海にエビ類の未知なる生物多様性があると考えられ、今後の研究により生物相を解明し、多様化のプロセスに関する知見が増えることが期待されます。

 本研究成果は、2023年5月2日に、国際学術誌「Zootaxa」にオンライン掲載されました。

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新種として記載した「ワカサムラサキエビAthanas exilis
研究者のコメント

「日本海側から次々と新種が見つかり、驚いています。地道な調査ってやっぱり大事ですね。太平洋側もがんばらんと。」(駒井智幸)

「先日の若狭湾で発見されたワカサスナモグリに引き続き、ワカサムラサキエビが日の目を浴びることとなりました。次に出てくる生物も、どうぞお楽しみにしてください。」(邉見由美)

研究者情報
書誌情報

【DOI】
https://doi.org/10.11646/ZOOTAXA.5277.2.6

【書誌情報】
TOMOYUKI KOMAI, YUMI HENMI (2023). A new species of the alpheid shrimp genus Athanas Leach, 1814 (Decapoda: Caridea) from the Sea of Japan. Zootaxa, 5277(2), 363-373.

メディア掲載情報

読売新聞(5月24日 25面)および朝日新聞(6月28日 19面)に掲載されました。