腎障害患者におけるレムデシビルの薬物動態モデルを構築 -新型コロナウイルス感染症治療薬の適正使用に向けて-

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 レムデシビルは、2020年5月に新型コロナウイルス感染症に対して特例承認された薬剤です。全世界的に使用経験が乏しいため、様々な疾患を併存する患者の体内動態情報は不足しています。本学医学部附属病院では、併存疾患を有する新型コロナウイルス感染症患者の治療を行い、その中でレムデシビルを使用してきました。

 助石有沙美 医学部附属病院薬剤師、米澤淳 薬学研究科准教授、伊藤功朗 医学研究科准教授らの研究グループ(医学部附属病院薬剤部(薬学研究科)、呼吸器内科、集中治療部、腎臓内科、初期診療・救急科)は、島津製作所と共同で、腎障害などを有する患者において、レムデシビル活性代謝物の血中濃度を測定しました。収集したデータから母集団薬物動態解析モデルを構築し、腎機能に応じた投与量設計を提案しました。本知見は、レムデシビル投与がどうしても必要な重度の腎機能障害患者への、より安全な薬物治療の提供に貢献すると期待されます。

 本研究成果は、2021年11月18日に、国際学術誌「CPT:Pharmacometrics & Systems Pharmacology」にオンライン掲載されました。また、第69回日本化学療法学会西日本支部総会(2021年11月5~7日)において、第16回日本化学療法学会西日本支部支部長賞 臨床部門を受賞しました。

腎機能障害患者ではレムデシビルの代謝物の血中濃度が高くなる
図:腎機能障害患者ではレムデシビルの代謝物の血中濃度が高くなる
書誌情報

【DOI】https://doi.org/10.1002/psp4.12736

Asami Sukeishi, Kotaro Itohara, Atsushi Yonezawa, Yuki Sato, Katsuyuki Matsumura, Yoshiki Katada, Takayuki Nakagawa, Satoshi Hamada ,Naoya Tanabe, Eishi Imoto, Shinichi Kai, Toyohiro Hirai, Motoko Yanagita, Shigeru Ohtsuru, Tomohiro Terada, Isao Ito (2021). Population pharmacokinetic modeling of GS-441524, the active metabolite of remdesivir, in Japanese COVID-19 patients with renal dysfunction. CPT: Pharmacometrics & Systems Pharmacology.