キウイフルーツにおける性別獲得の進化過程を解明 -性別決定遺伝子Friendly BoyとShy Girl成立の道すじ-

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田尾龍太郎 農学研究科 教授、赤木剛士 同助教(現・岡山大学准教授)、片岡郁雄 香川大学教授らの研究グループは、立命館大学、ニュージーランド・Plant & Food Research、カリフォルニア大学デービス校と共同で、キウイフルーツの性別決定においてオス機能の制御を担う性別決定遺伝子「Friendly Boy」を発見しました。

さらに、既に発見していたメス機能の制御を担う「Shy Girl」遺伝子とあわせて、キウイフルーツの性決定に関わる2種類の遺伝子の成立過程を明らかにし、40年以上前から提唱されていた植物における性別獲得の進化理論を証明しました。また、人為的に両性花を着花するキウイフルーツを作出することにも成功しました。

本研究成果は今後、キウイフルーツの性表現を人為的に制御する技術の開発へと発展し、キウイフルーツの性別に起因する栽培・育種上の問題の解決に貢献することが期待されます。

本研究成果は、2019年8月6日に、国際学術誌「Nature Plants」のオンライン版に掲載されました。

図:Friendly Boy遺伝子の導入による両性花キウイフルーツの作出

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41477-019-0489-6

Takashi Akagi, Sarah M. Pilkington, Erika Varkonyi-Gasic, Isabelle M. Henry, Shigeo S. Sugano, Minori Sonoda, Alana Firl, Mark A. McNeilage, Mikaela J. Douglas, Tianchi Wang, Ria Rebstock, Charlotte Voogd, Paul Datson, Andrew C. Allan, Kenji Beppu, Ikuo Kataoka & Ryutaro Tao (2019). Two Y-chromosome-encoded genes determine sex in kiwifruit. Nature Plants, 5(8), 801-809.