外来種の水草の繁殖条件を波の高さから予測することに成功 -琵琶湖岸における繁茂予測場所を地図化-

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田中周平 地球環境学堂 准教授らは、夏になると琵琶湖に繁殖して生態系に影響を及ぼすとされる外来種の水草「オオバナミズキンバイ」について、波の高さが繁殖に影響することを明らかにし、予想分布図を作成しました。

「オオバナミズキンバイ」は特定外来生物に指定されている水草で、琵琶湖では夏になると大量に繁殖して生態系への影響が懸念されています。琵琶湖岸の55か所のすべての群落を詳しく調査した結果、オオバナミズキンバイは波の高さが平均で18 cm以上と推定される場所では繁殖せず、18 cmから8 cmまでの場合は岸辺の近くで、8cmより波が低い場合は比較的、陸から離れた場所で繁殖することがわかりました。オオバナミズキンバイの繁殖の条件を波の高さから予測したのは世界で初めてです。

調査および分析結果をもとに作成した琵琶湖における オオバナミズキンバイ の繁茂範囲を予測した地図冊子については、今後琵琶湖における本水草の効率的な駆除に役立てていくことが可能です。また、本研究成果の活用は、琵琶湖の生態系の保護につながると考えられます。

本研究成果は、2019年5月26日に開催される「琵琶湖岸に侵入した特定外来種オオバナミズキンバイの拡大予測と効率的防除に関するシンポジウム」で発表されます。

図:波浪条件と水位から予測した雄琴港におけるオオバナミズキンバイの繁茂予測範囲と実際の分布図の比較。

詳しい研究内容について

書誌情報

  • 京都新聞(5月25日 26面)および毎日新聞(7月15日 27面)に掲載されました。