水蒸気バブルで液体を自在に動かすことに成功しました

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名村今日子 工学研究科助教らの研究グループは、水蒸気の小さな気泡(マイクロバブル)を使って少量の液体を一方向にポンピングすることで、急激な流れを発生させることに成功しました。

少量の液体を自在に動かす技術の開発は、化学・医療分析技術から電子部品の冷却技術まで幅広い分野において急務となっています。

本研究グループは、水をレーザー光と金ナノ粒子を使って局所的に加熱することで、急激な流れを伴う水蒸気のマイクロバブルを発生させました。さらに、レーザー光の形を変えることで、マイクロバブルの周りに発生する流れの向きを制御することに成功しました。

本研究成果により、流路の壁の近くに、これまで生成が困難であった一方向の流れを発生させることができるようになりました。流れの向きや強さを任意に選ぶことができるため、この技術は少量の液体を自在に動かすマイクロポンプとして有用だと考えられます。

本研究成果は、2019年3月18日に、国際学術誌「Scientific Reports」のオンライン版に掲載されました。

図:本研究の概要図

詳しい研究内容について

書誌情報

【DOI】 https://doi.org/10.1038/s41598-019-41255-5

【KURENAIアクセスURL】 http://hdl.handle.net/2433/240587

Kyoko Namura, Souki Imafuku, Samir Kumar, Kaoru Nakajima, Masaaki Sakakura & Motofumi Suzuki (2019). Direction control of quasi-stokeslet induced by thermoplasmonic heating of a water vapor microbubble. Scientific Reports, 9:4770.