防災研究所および総合生存学館とJICA関西センターが、JICA海外協力隊(科学技術協力隊)派遣に関する覚書を締結しました

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 本学防災研究所および総合生存学館と、独立行政法人国際協力機構(JICA)関西センターは、2026年3月12日に、メキシコおよびタイへの「JICA海外協力隊(科学技術協力隊)」派遣に関する覚書を締結しました。本制度によるJICA海外協力隊の派遣は、全国で初めての取り組みとなります。

 署名式同日、国際高等教育院棟にて執り行われ、JICAからは広沢正行 JICA関西センター所長および増古恵都子 同青年海外協力隊事務局次長らが出席しました。 本学からは河野泰之 副学長・国際戦略本部長と縄田栄治 ASEAN拠点所長がオンラインにて、平島崇男 大学院教育支援機構長、村上章 総合生存学館長、堀智晴 防災研究所長らが現地にて出席しました。

 はじめに広沢所長より挨拶があり、「科学技術協力隊」は、2025年に60周年を迎えたJICA海外協力隊の節目に新設され、日本の若手研究者を開発途上国の研究機関に派遣し現地研究者との共同研究等を行うもので、現地の科学技術力向上のみならず、派遣先国の研究に貢献するとともに、現地での活動や成果を国内に還元し、国際頭脳循環に貢献するものであると説明されました。続いて本学より挨拶があり、河野副学長が、本学が「探検大学」として先導してきた海外フィールドワークの伝統や、2018年から推進している「On-site Laboratory」による国際共同研究の蓄積に触れ、今回の新たな枠組みが本学のグローバルな教育研究活動をさらに発展させるものであると述べました。次に平島機構長が、博士課程学生やポストドクターといった「研究者の卵」が海外の現場で社会課題の解決に直接関わる経験の重要性を強調し、専門分野の枠を超えた能力(トランスファラブルスキル)の涵養は、博士人材の多様なキャリア支援に繋がるとの期待を寄せました。

 覚書署名に先立ち、研究活動そのものが協力隊活動となる本制度の特長について、増古次長より説明がありました。その中で、科学技術協力隊員への期待として、相手国の研究者を巻き込み、相互に価値を創造し高め合いながら、国際共同研究として開発途上国とのつながりを長く継続してほしいとの要望が示されました。

 次に、今回のメキシコ派遣について堀所長より説明があり、防災研究所と派遣先であるメキシコ国立防災センターは長期にわたり協力関係にあること、JICAメキシコ事務所、メキシコ外務省、メキシコ国立防災センターとの間には共同声明が締結されていること、そして本学のOn-site Laboratory「地震・津波未災学国際Lab」が背景にあることが説明されました。また、本派遣の目的は、地震自動検出システムの導入と評価手法の社会実装、情報発信手法の開発に取り組み、メキシコの地震災害リスク軽減に貢献することにあると述べられました。

 村上学館長からは、今回の派遣は総合生存学館館の教育の柱の一つである国際機関等で実践活動を行う「武者修行」や「PBR:Project-Based Research」と位置付けられること、また、本派遣を通じて、タイのチュラーロンコーン大学持続可能環境研究所(SERI)の研究者と協働し、生物多様性保全と調和した食料生産、農業を目指した政策議論、政策改善に貢献し、両機関の学術交流や若手研究者の育成を図りたいとの展望が述べられました。

 式典には、本制度の第1号隊員として、2026年8月頃にメキシコへ派遣予定の大柳修慧さん(防災研究所付属地震災害研究センター 研究生)も出席しました。大柳さんからは、「現地の社会インフラや文化を念頭に対話を通じて研究を進め、その成果を実装することで、メキシコの地震災害リスク軽減に貢献したい」との抱負が述べられました。

 最後に縄田所長より閉会の挨拶があり、10年前に本学大学院生が休学して協力隊に参加した事例を振り返り、「当時、研究活動を中断することなくJICA海外協力隊に参加できる制度があればと願っていたことが、このように実現したことは大変感慨深い」と述べ、式典を締めくくりました。

 本学は今後も本制度を積極的に活用し、派遣先国の研究者と共に現地の課題解決に取り組むことで、研究の視野を広げ、グローバルに活躍できる次世代の研究者育成をより一層推進していきます。

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挨拶する広沢所長
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挨拶する平島機構長
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科学技術協力隊について説明する増古次長
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メキシコ派遣について説明する堀所長
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メキシコ派遣について抱負を述べる大柳さん
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タイ派遣について説明する村上学館長
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覚書式の様子
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署名した覚書とともに