2025年7月7日、ウクライナ留学生との懇談を清風荘にて開催し、留学生5名のほか寄付者らが参加しました。
京都大学では、ウクライナ情勢に関し、本学の学術交流協定校を含むウクライナの大学・学術機関の関係者に対して支援を行うため、2022年に「ウクライナ危機支援基金」を設立し、危機的状況に置かれた学生を本学において受け入れ、教育や研究活動を支援してきました。
当該学生の検定料・入学料・授業料は、本学の負担による免除とし、生活費等の支援を目的とした奨学金についても本基金を活用し、学習・研究を継続できるよう支援しています。これまでに37名の留学生を受け入れたほか、今年2025年10月からは新たに18名の受け入れを決めています。
今回、本基金に多大なるご支援をいただいている寄付者代表として建築家の安藤忠雄氏をお招きして、ウクライナの留学生5名、湊長博 総長、稲垣恭子 理事・副学長との懇談の場を設けました。
はじめに稲垣理事・副学長より開会の挨拶があり、全国各地から寄せられた支援へのお礼が述べられ、本学が国際社会の一員として今後も困難な状況にある学生に学びの場を提供し続ける決意が語られました。
続いて5名の留学生から発表があり、日本での勉学や生活などを紹介しました。留学生からは楽しかった思い出などが披露され、「母国の大学に比べて京都大学の学びはとても自由で、興味のあることを追求することができた」、「“普通”の学生生活を送れたことが何より幸せだった」など感謝の気持ちを伝えました。
これに対して安藤氏より、「私は建物で社会に貢献してきた。皆さんも京都大学で学んだことを活かし、目標をもって未来の、母国のために新しい世界を切り拓いてほしい」とエールが贈られました。
閉会の挨拶では、湊総長が留学生たちの学問と生活の両立における研鑽への敬意とねぎらいの言葉を述べ、「皆さんが京都大学で学んだ知見や対話の精神、そして国際的視野を携えた人材として、社会に力を与える存在として活躍されることを期待している」と締めくくりました。 最後に全員で記念撮影を行い、会は幕を閉じました。
学びの場は平和で開かれたものでなければならないという信念のもと、本学は国際連帯の精神を持ち続け、知の橋をかけていきたいと考えています。



関連リンク
ウクライナ危機支援基金については、以下のリンクをご覧ください。
ウクライナ危機支援基金