クラウドファンディングプロジェクト実施の背景
野生動物研究センターの海獣班が研究している海棲哺乳類は、海洋生態系の高次捕食者として、あるいは、アイコン(象徴種)として注目されています。しかし、彼らを取り巻く環境は、目まぐるしく変化しています。気候変動による海水温上昇と海氷減少などは収まる気配がなく、大規模な赤潮の発生や鳥インフルエンザなどの突発的な現象、政治的または資源的な理由によって開発が進む可能性など、あらゆる変化の危機に晒され続けています。
海棲哺乳類の変化にいち早く気づき、状況把握と適切な対応ができるようにするためには、彼らを「モニタリング」し続けることが何よりも重要であるにもかかわらず、国の研究予算の削減の傾向や円安、エネルギーの高騰が、モニタリング調査のための資金調達を困難にしています。いつか海棲哺乳類たちが今以上の危機に瀕したときに「彼らの未来を守ることに間に合わなかった」と諦めずにすむように、今この状況を、目を逸らさずに見なければなりません。そして、何かの策を練らねばならなければいけません。
インターネットを通して広く支援を呼びかけるクラウドファンディングという手法を通して声を上げることで、調査のための資金を募るばかりでなく、彼らの現状を多くの人に知っていただき、私たちの調査・研究への賛同を得る機会にも繋げていくことができればと、クラウドファンディングを立ち上げました。

本プロジェクトの詳細
「海が変わっていく。海獣とヒトが共に生きるため、いま、調査が必要です」(READYFOR)
目標金額:500万円
公開期間:2025年6月16日(月曜日)12時00分〜7月31日(金曜日)23時00分
資金使途:北海道のシャチ、ラッコ、ゴマフアザラシおよびグリーンランドのアザラシ類、イッカクの調査費用
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