田辺理 白眉センター特定准教授が「第35回 國華奨励賞」を受賞しました

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 田辺理 白眉センター/文学研究科特定准教授が、「第35回 國華奨励賞」を受賞しました。

 「國華賞」は、1889(明治22)年に岡倉天心らが創刊した東洋美術雑誌『國華』の創刊100年を記念して創設され、日本および東洋の美術に関する優れた研究に贈られます。過去1年間に刊行された書籍、雑誌・紀要などに掲載された論文、展覧会図録が選考対象となります。國華奨励賞は、同賞のうち、若手研究者に贈られるものです。

 田辺准教授は、パキスタンとアフガニスタンにおいて2世紀から4世紀の間に栄えたガンダーラの仏教彫刻に見られる、飲酒饗宴図や海獣などの、一見しただけでは仏教と関係があるか否かわからない図像の考察を行い、それらの図像が、帝政ローマ時代の石棺の表面に表現された美術と同種のものであると比定しました。さらに、このような彫刻は、仏教寺院に飾られていたものであるため、何らかの仏教的な意味が秘められているのではないかと推測し、小乗部派仏教に取り入れられたインド古来の生天思想と関連づけて、その図像の解釈を試みました。この研究が斬新であり、ガンダーラの仏教美術研究を一歩推進したと評価されて、このたびの受賞となりました。

 なお、受賞式は、2023年10月26日に朝日新聞社本社にて行われました。

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受賞式の様子

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國華賞 | 朝日新聞社