フィールド科学教育研究センター芦生研究林とKDDI株式会社が、生物多様性の保全に向けた包括連携協定を締結しました

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 2023年3月9日、フィールド科学教育研究センター芦生研究林とKDDI株式会社は、芦生研究林の生物多様性や生態系の保全・教育・研究の促進に寄与することを目的に、包括連携協定を締結しました。

 1990年代の後半から、芦生研究林の貴重な植生が、個体数が増えたニホンジカの採食によって著しく衰退してしまいました。植物だけではなく、昆虫や魚などの様々な生き物や、土壌、河川にも影響がでており、生態系の改変が進み危機的状況となっています。また、コロナ禍におけるデジタル森林教育コンテンツの開発の必要性、研究者・学生を含め、携帯電話圏外地域での通信手段確保などの課題もありました。

 これらの課題解決のため、芦生研究林とKDDI、さらに舞鶴工業高等専門学校HANDMADE部が共同でVR動画を作成し、実習・イベント等で教材として活用しました。また、生物多様性保全のためのKDDI社員有志によるボランティア活動が行われ、芦生研究林基金への寄附を受けました。さらに、2022年度はLPWA(Low Power Wide Area:低消費電力で長距離のデータ通信を可能とする無線通信技術)を用いて林内における通信手段の実証実験等も行い、IoT鳥獣対策通知システムによるニホンジカの有害駆除(許可捕獲)や、教職員・学生が入林時にテキスト通信ができる機器(コミュニケーションツール)による通信の有効性が確認できました。

 両者は本協定を通じて、芦生研究林の生態系や生物多様性の保全、芦生研究林に関する教育研究活動・普及啓発活動、DXや通信技術などを用いた芦生研究林に係る活動のさらなる発展高度化に取り組んでいきます。

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記者発表の様子
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左から、石原正恵 フィールド科学教育研究センター准教授(芦生研究林長)と田中稔 KDDI株式会社 理事・関西総支社長

関連リンク

報道発表資料「京都大学芦生研究林とKDDI、生物多様性の保全に向け包括連携協定を締結」