黒田浩一 農学研究科准教授らが日本農芸化学会の2021年B.B.B.論文賞を受賞しました

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 黒田浩一 農学研究科准教授、植田充美 産官学連携本部特任教授らの研究成果が、2022年3月16日に、日本農芸化学会の2021年B.B.B.論文賞を受賞しました。

 B.B.B.論文賞は、日本農芸化学会英文誌Bioscience, Biotechnology, and Biochemistryに掲載されたRegular Paper, Communicationより、毎年優秀な論文に授与されます。

 今回の受賞対象となった論文では、ヒト細胞のモデルとして出芽酵母を用いてmtDNA(ミトコンドリアDNA; mtDNA)を標的として切断する「mito-CRISPR」システムを開発し、ゲノム編集技術をミトコンドリア内で機能させることができたことを発表しました。ミトコンドリアは真核生物において呼吸やエネルギー生産など重要な役割を果たす細胞小器官です。核ゲノムとは異なる独自のゲノムを保有し、その変異に起因するミトコンドリア機能不全はヒトでは重篤な疾病を引き起こします。今回開発した手法を基盤として、今後mtDNA配列を自在に編集する技術へと発展させることで疾患治癒をめざした医療分野への応用も期待されます。京都大学が代表機関として実施している「革新的医療技術創出拠点プロジェクト 橋渡し研究戦略的推進プログラム」のもとで研究を継続しています。

受賞論文:Development of a mito-CRISPR system for generating mitochondrial DNA-deleted strain in Saccharomyces cerevisiae

【DOI】https://doi.org/10.1093/bbb/zbaa119

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